SPC・会社型投信・小口信託




日本の不動産証券化---SPC・会社型投信・小口信託受益権



バードレポート第233号1998年11月23日

  バブルの頃には都心部の商業ビルを一口1億円にして小口不動産(1億円を「小口」と呼ぶことが「バブル」だったのです)として売りました。組合・信託・一括賃貸等の手法で都心商業ビル等が小口にされて売られました。バブルははじけ販売元もはじけ訴訟沙汰や泣き寝入りも多いようです。

 その結果、各販売元の創意工夫で進んだ小口化ですが、組合方式・賃貸方式について平成7年に「不動産特定共同事業法」により建設省主導での規制がなされ、投資家保護が計られました。規制は厳しくなり、自由な証券化が進まなくなりました。

SPC法による証券化


 そうしているうちに、金融機関の不良債権処理が目的のSPC(特定目的会社)法がつくられ、98年9月から施行されています。その目的ゆえに建設省ではなく大蔵省の縄張りです。

 野村証券さんが米国で商業不動産担保ローンの証券化ビジネスで大きな損失を受けたと報道されましたが、日本のSPC(スペシャルパーパス カンパニー)は、この証券化(通称「CMBS」)がモデルのようです。「不動産の証券化」ではなく、もともとが「不動産担保ローンの証券化」ですので、不動産業界からは「使いづらい」と不満続出でした。SPC法による証券化は、物件を確定が必要であり、途中の物件差し替えもできないし、融資を受けることもできない等、と言われていました。

 しかし98年8月末に公表の大蔵省令は意外にも随分と自由な規定になっていました。どの物件にするかが未確定でも購入条件が決まっていればOK、SPCによる借入も事前に限度額を決めておけばOK、途中での不動産の売却・交換・担保差入が事前確定できずとも条件によりOK。資本金は300万円でOKだし、このSPCの活用はまんざら悪くもありません。こんなに自由だとは誰も思っていませんでしたから、皆戸惑っているようです。

 一般投資家向けだと50人以上の投資家がいなくては二重課税を排除できないとか、流通税がまだ重いとか…、といった制約の重さは残っていますが、これからは、このSPCの活用の動きが始まるのでしょう。

不動産の投資信託


 98年12月から投資信託が変わります。「会社型投資信託」(正式には「投資信託」ではなく「証券投資法人」)のスタートです。投資信託のファンドを法人化し、「投資信託の証券」ではなく「投資をする会社の株券」とし投資家に販売するものです。投資対象は「主として有価証券」です。「主」でなければ不動産もかまいません。更に不動産を所有した前記SPCの出資証券なら実質不動産でも、「不動産」ではなく「証券」です。

 不動産や実質不動産だけに投資する投資信託がこの法人型投資信託で可能になります。いずれ証券会社の窓口で流通するようになるのでしょう。


 また、投資信託は「公募」が原則でした。それが「私募」の投資信託が可能になります。ここでの「公募」の意味は50人以上に勧誘するということです。一般向けには勧誘せずに、特定の限られた投資家だけに密かに販売する投資信託が可能になるのです。当然に「私募」の「会社型投資信託」による「不動産投資商品」も可能です。

土地信託の分割小口化


 「土地信託」の受益証券の分割小口化も進みそうです。これまでの税務の取り扱いは信託受益権が分割小口化されないという前提でした。それが98年3月に通達改正され、一定の小口化までは容認されました。信託協会では「一口1千万円以上、全体で50口以下ならいかが?」と国税庁にお伺いをたて、お墨付きをもらっています。不動産を信託し、その信託受益権をバラして投資家に販売します。不動産と証券の垣根はどんどん低くなっています。

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