減価償却…耐用年数の短縮




確定申告の最大ポイントは減価償却---耐用年数の短縮



バードレポート第239号1999年1月11日

  今回の確定申告では「減価償却」に大きな改正があります。 多くの地主さんの所得税確定申告での最大注意ポイントは建物の耐用年数の短縮です。

 既存の鉄筋コンクリート造の賃貸住宅建物(以下で「RC建物」)で建物が1億円(期首簿価)なら、耐用年数の短縮により、減価償却費(定率法)が380万円から480万円へと100万円増加し、所得がそれだけ減るのです。

  所得税住民税の税率が45%なら、税金は45万円も減ることになるのです。減価償却は「昨年通り」としがちですので、確定申告の際に忘れないように。

耐用年数とは


  RC建物の耐用年数は60年でした。それが平成10年分所得税確定申告からは47年になります。 建物の建築費を60年かけて減価償却費として経費にすることになっていたものを、47年にするということです。 新築なら最初から耐用年数47年として減価償却の計算をしますから、47年で償却が終わります。

 新築でなくとも既存建物であっても耐用年数が短縮されます。 耐用年数60年で減価償却を続けてきたRC建物があります。新築から10年が経過しています。 この建物の耐用年数も60年から47年へと短縮になります。

  そのために今回の確定申告で減価償却の計算を見直しが必要です。具体的にはどのようにするのでしょうか。

耐用年数短縮て何?


……これまでは60年間で減価償却が終わるよう計算してきた。それが47年になるということは、新築時から47年間で減価償却が終わるように計算しなおすことになる。現在すでに新築から10年が経過しているから、47年で減価償却が終わるためには、あと37年間で減価償却が終わるように減価償却費を計算しないといけない。……だとすれば、減価償却が可能な限度額を残り37年で償却完了になるような減価償却をすることだ。……………………これが既存建物の「耐用年数の短縮」という言葉の一般的イメージでしょう。しかし税務申告はこれでは間違いです。

税務上の耐用年数の短縮


 申告での耐用年数短縮とは単に「償却率」を変えるだけです。 耐用年数ごとに償却率が決まっています。 例えば耐用年数60年で定率法だと償却率は0.038と決まっています。減価償却費は「0.038」を使って計算します。   期首建物価格が1億円なら、その1億円に対して0.038を乗じた380万円がその年の減価償却費になるのです。

  耐用年数の短縮とは、この償却率を変えることだけのことです。耐用年数47年の定率法の償却率は0.048と定まっています。 すると1億円×0.048=480万円が減価償却費になるのです。  

  既存建物は耐用年数の短縮で減価償却額が大きくなります。 建物の使用途中で突然に償却率を変更しますから、この償却率で減価償却を続けていっても、新築から47年で減価償却が完了するとは限りません。「耐用年数」と「償却が終わる年数」とは違うことになります。

確定申告でどうすればいい


  確定申告では不動産所得の決算書や内訳書の「耐用年数」の欄を60年から47年に書き換えましょう。そして「償却率」の欄を0.038から0.048に書き換えます。これだけやればあとは「昨年通り」の計算で結構です。 築50年経過済みの建物も同じです。築50年の建物の耐用年数が突然に47年になるということは、不思議なことで理解に苦しみ悩みます。 しかし、単に償却率が変わるだけと考えれば、何か納得したような・しないような思いながらも、悩みだけは解消します。

中古建物に注意


  既存建物が新築で取得したものでなく中古だった場合の耐用年数は注意が必要です。 なお、98年4月以降新規取得の建物の減価償却は定率法が禁じられ、定額法に限られました。
<建物の減価償却費の計算方法>  定額法の減価償却費 = (取得価格×90%) × 定額法償却率

 定率法の減価償却費 = (前期末未償却額) × 定率法償却率 個人の場合で定率法で減価償却を行うには一定の届出が必要です。 耐用年数と償却率

  構造   細目 耐用年数短縮 前   ⇒ 耐用年数短縮 後
耐用年数 定額法 償却率 定率法 償却率 耐用年数 定額法 償却率 定率法 償却率
鉄骨鉄筋コンクリート 鉄筋コンクリート 事務所

65年

0.016

0.035

50年

0.020

0.045

住宅

60年

0.017

0.038

47年

0.022

0.048

店舗

47年

0.022

0.048

39年

0.026

0.057

木造 事務所

26年

0.039

0.085

24年

0.042

0.092

店舗・住宅

24年

0.042

0.092

22年

0.046

0.099

木骨モルタル 事務所

24年

0.042

0.092

22年

0.046

0.099

店舗・住宅

22年

0.046

0.099

20年

0.050

0.109




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