短期賃借権




オーナーチェンジでの賃借人の立場…短期賃借権



バードレポート第245号1999年2月22日
2003年改正でこの「短期賃貸借保護」制度が廃止となり(改正民法395条)、大原則に戻ります。大原則は借りる前に抵当権が設定されていたなら競売により賃借人は追い出されます。賃借中の建物が競売になってしまえば、6ケ月の猶予期間は設けられたものの、賃借人は追い出されても、敷金が戻らなくても文句がいえません。なお抵当権者が同意すれば、賃借権登記を前提として例外として賃借人の権利保護が可能です(改正民法387条)。サブリースには応用可能です。改正法は2003年7月25日に国会通過し、8月1日公布されました。公布日から1年以内に施行されます。

2003.8.26追記

任意売却の場合



 賃貸中のビルやアパートのオーナーチェンジが増えています。 バブル時に借金により建築購入した不動産には返済が滞っているものも多く「銀行がオーナーに対して「任意売却をしろ」との強要も目立ちます。 任意売却とは、競売等の強制的手続きによらず、お互いの任意での売買契約です。

  さて任意売却の場合はビル・アパートの賃借人の立場はどうなるのでしょうか。

 任意売買による新所有者は、賃借人との賃貸借契約を引き継ぐことになります。当然に賃借人はこれまでの賃貸借契約をそのまま継続することができますし、借家人としての法的な保護も受けます。敷金は新所有者から返還を受けられます。 (保証金は敷金としてでなく貸付金として扱われることもあります。バードレポート244号参照)

競売の場合の賃借人


  「任意売却」でなく「競売」の場合はどうなるでしょうか。

  賃借人の実際の入居日が「第一順位の抵当権設定日より早い場合には「任意売却」と同様に賃借人の権利は守られます。 逆にいえば「そのような賃借人がいる場合には「その物件を競落しても賃借人を立退かせることはできません。

  このような物件には裁判所での競売物件明細書に「期限後の更新は買受人に対抗できる」と書いてあります。 その賃借人との現賃貸借契約が満了しても「借地借家法の借家人保護規定により「賃借人は新所有者(買受人)に正当事由がない限りは法的に更新を続けられることを意味しています。 しかし「抵当権設定日よりも賃借人の入居日が遅いことが現実には多いでしょう。 この場合で「賃貸借契約期間が3年超であったならば「賃借人は退去しなくてはいけません。敷金も戻らないでしょう。

短期賃貸借の場合


  しかし、契約期間が3年以内の場合には「短期賃貸借」として特別の賃借人保護があります。競落時の賃貸借契約が満了するまではその賃貸借契約は有効になるのです。貸借契約期間3年であり、競落時の残りが1年あれば、賃借人はあと1年間に限っては借り続けることができますし、新所有者に対して敷金の返還を求めることもできます。

 しかし、その1年が経過して期間満了時には退去しなくてはいけません。この時には借家人には借地借家法での借家人保護が無いので、新所有者に権利を主張できないのです。 新所有者はこの1年間待てば確実に立退きができるのです。 物件明細書には「期限後の更新は買受人に対抗できない」と書かれています。

差押後の法定更新の場合


 もともとは「短期賃貸借」だったのですが、差押後に賃貸借契約期間が満了して、そのまま(すなわち法定更新)になっている状態で競売になるとどうでしょうか。 競売に長期間を要するのでこのようなケースも増えています。

 このケースの物件明細書も「期限後の更新は買受人に対抗できない」です。 差押後は前所有者は不動産の処分ができません。そして「その間の法定更新をもって賃借人は権利を主張できないのです。 新所有者から敷金の返還を求めることすらもできません。

  すなわち、契約満了前に競売になれば「短期賃貸借」として敷金は戻ったのに、競売が遅れて契約期間満了後に競売になったばかりに敷金も戻らなくなってしまうのです。

債権回収・執行妨害の賃借権


 以前は、債権回収や執行妨害目的での抵当権とワンセットの賃借権登記も多かったようです。また、同様の目的での賃貸借及び占有のための「占有屋」という怖い方々も登場します。 裁判所はこれらについては賃借権の濫用とし、効力を認めなくなっています。

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