連担建築物設計制度




いよいよ容積率売買制度のスタート…連担建築物設計制度



バードレポート第259号1999年6月14日

映画「ティファニーで朝食を」で有名なニューヨークのティファニービルは基準容積率に比べ建物が小さく余剰な容積率がありました。その隣接地に不動産王と言われたトランプ氏がトランプタワーという高層マンションを建設することになりました。

ティファニービルは建替え予定もないので、余剰容積率をトランプ氏に売却しました。

その結果トランプ氏は隣接のティファニービルの余剰容積率までも使って超高層の建物を建築しました。一方でティファニーのビルは今より大きな建物は建てられなくなりました。

これが「容積率売買」です。

日本ではこのような取引は一般的ではありません。

建築基準法では、ひとつの建築物に対してひとつの敷地をいわば糊付けしてワンセットにすることを原則にしており、容積率制限等はそれぞれの個々の敷地毎に適用されています。

「特定街区」とか「総合的設計」等では複数建築物の敷地を一つとみなして容積率等を適用し、結果的に容積率移転を認めています。しかし、対象建築物が原則すべて新築のときに限られており、既存建築物からの容積率移転は例外を除き認められませんでした。

建築基準法改正


それが建築基準法改正で大きく変わります。今年5月施行の連担(レンタン)建築物設計制度です。

「開発敷地に隣接してお年寄りの居住する既存住宅がある。このお年寄りは土地を売ってくれないし、ここにずっと住み続けたいという。このお年寄りの住宅敷地の容積率は400%だが100%しか使われていない。

開発敷地とこの住宅敷地とにつき、一つの敷地とみなすことができないだろうか。そうすれば、開発敷地上の新建築物はその開発敷地の本来の容積率ばかりではなく、お年寄りの住宅敷地の未利用容積率300%分までが使えることになる。

お年寄りは、住宅はそのままでも、容積率の移転(売買)についての金銭対価の支払いを受けることもできることになる。」

東京都の認定基準制定


建築基準法も同施行令もすでに改正済みでしたが、具体的指針となる自治体の運用基準が明確ではありませんでした。東京都が5月27日にこの「認定基準」を制定しました。各自治体もこれから続々と基準を制定していくでしょう。

認定に当たって敷地全体の面積は500平方メートル以上としました。「もう少し狭くても適用できれば…」との声も多いようです。ただし専用住宅2戸間でのこの制度適用については500平方メートル未満でもOKです。既存不適格住宅の建替に応用できるでしょう。

また既存建築物の構造については耐火建築物等である必要はなくたとえ木造でも大丈夫です。

条件を満たし、認定がされれば、区域全体を同一敷地とみなして容積をまず計算します。

その上で、区域内の複数の建築物の容積率の合計の限度が、区域全体を同一敷地とみなして計算した容積率となります。ただし、各建築物の敷地毎については本来の容積率の1.5倍が限度となります。お隣のお年寄りの住宅敷地の余剰容積率を移転(売買)したとしても、開発敷地本来の容積率が400%ならば1.5倍の600%が限度です。敷地の接する道路幅が12m以上かつ環境整備に寄与等ならば、この1.5倍の制約はなくなります。

認定にあたっては、認定基準ばかりでなく、自治体の弾力的な裁量もおおきいですから、実際の運用が注目されます。なお、戸建住宅地等の宅地開発等でのこの制度適用は難しいようです。

新しい制度・新しいビジネス


この制度が浸透していくと、容積率について移転済の言わば抜け殻土地も多数生じます。そのために公示制度がもうけられ、売買時の重要事項説明の必要事項にもなります。

いずれ「容積率売買の仲介業」…なんていう新しいビジネスも出てくるのでしょう。


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