新再建手続き(民事再生法)




「新再建型倒産手続き(民事再生法)」…担保権者には悪夢のような法律



バードレポート第262号 1999年7月5日


「新再建型倒産手続き」は「民事再生法」という名称となり、2000年4月に施行されました。


過多な借金で倒産寸前。現経営者自らの手で再建を行うには、任意整理か和議でした。

任意整理は、あくまでも「任意」ですので、債権者がその気にならなければダメです。担保があれば競売申立ても自由です。

「和議」は任意ではありませんが、担保権は制約されませんから、債権者は担保権実行による競売申立てができます。

担保をもつ債権者が強い力を持ったままなのです。そのために回収見込みもないのに、「わがまま」な債権者が任意売却や再建計画への協力をせずに、処理が進まず、企業の再生も進まないことが多いのです。

頓挫した再生プラン


企業再生のために幾つかのプランがだされました。昨年4月の総合経済対策では「臨時不動産関係権利調整委員会」により、合理的な再建計画に基づく債権放棄を進めようとし、税法の通達改正まで行いました。不動産についての複雑な権利関係を整理し調停仲裁をしようとしました。しかし「ゼネコン救済のため」との罵声を浴びて廃案。

次に、多額の債務を抱えた個人や中小企業が破産を回避しながら自力再建を進めるようにと、自民党が議員立法で民事調停手続きを拡充する「特定調停法」の成立に動きました。これは簡易裁判所に「調停委員会」を設置し、経済的に再生に資する場合には、債権放棄等の調整をしようとしました。

住宅ローン破綻も救済できるのではないかと、今年の春には随分と話題となりました。しかし、昨今の政局の中で、今や風前のともしび。

「新再建型手続き」


そんな状況下で、企業再生プランの本命が姿を現しています。「新再建型倒産手続き」と呼ばれており、秋の臨時国会に提出され、来年4月施行の方針です。

法案名は未定ですが「債務調整手続法」「債務者再生法」「事業等再生法」等となるようです。(注「民事再生法」となりました)

破綻前であっても、債務弁済を続けると債務者の事業継続に著しい支障がをきたす場合等には、裁判所に手続開始を申立てすることができます。

会社更生法では現経営者はクビですが、この法律では現経営者による経営継続も可能です。

また、申立てが認められれば、裁判所の許可のもとで、担保権者に対しては、様々な権利制限が課せられます。

債権者が担保権実行による競売をしようとしても、裁判所が債権者に対して競売手続きの中止命令を下すことができます。


そして裁判所の許可があれば、事業継続に欠くことのできない財産については、債務者が担保権者の担保の消滅をさせることができます。

もちろんタダで消滅させるのではなく、財産の価額に相当する金額の供託等は必要です。

債務者への支援企業が現われ、その支援企業がお金を出してくれれば、無条件に担保抹消となるのです。

担保抹消の金額で争いがあれば裁判所が金額を定めます。そしてこの定められたの金額に対して債権者は不服を言えずに、言わば、絶対的に効力が生じることになります。

銀行はたまらない


こんな法律が成立すると、担保権者たる銀行はウカウカしていられません。

担保に取っている不動産について「競売にするぞ」と脅すこともできません。

債務者に財力のあるパートナーがつけば、力ずくで抵当権を抹消されてしまうのです。


そして、銀行がそんな無理無体な仕打ちを受けるにもかかわらず、その会社については以前の経営者が経営を続けることができるのです。銀行から見れば悪夢でしょう。

一方でバブル処理が未了の債務者にとっては、自主的な再生計画スタートのチャンスです。

この法案の登場で、法施行後が意識されることになり不良債権最終処理は否応なく進みます。7月末に最終案公表見込みです。


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