転売益が確実な不動産




転売益が確実な不動産、法人で仕入れるべきか・個人がいいか



バードレポート第265号1999年7月26日

競売マーケットが活況です。プロにとっては短期での転売益が確実な物件も多いようです。

バブル時は2年内転売だと「超短期重課」といわれ利益のほとんどが税金で消えました。

しかし「超短期重課」は廃止され、5年内転売の「短期重課」や5年超の「長期重課」も2000年末まで適用が凍結です。

法人や不動産売買を業とする個人が短期・超短期で不動産転売益を得ても、特別の重課はなく、通常の法人税所得税等だけで済むようになっています。

一方で一般個人の譲渡所得について長期譲渡所得は減税されましたが、5年内の短期譲渡の重課制度は残っています。

来年転売の転売益への課税


今年仕入れて来年(2000年)末までに転売益確実の不動産は、法人での仕入れが得か、個人での仕入れが得かを考えましょう。

(1)法人

法人税重課制度は2000年末まで凍結で、転売益への課税は通常の法人税・法人住民税・事業税だけです。つまり税率は超短期転売益でも一般と同じです。

所得800万円までの場合は、税率31%(35%)、所得800万円超の場合は税率42%(47%)です。

(99年4月開始事業年度から法人税率が下がります。カッコ内は売却年が99年3月以前開始事業年度の場合です。なお法人住民税は一部制限税率で算定し、事業税の翌年損金化による軽減考慮後。市町村で税率に僅かな差があります。)

なお同族会社の場合で所得が数千万円と大きくなると留保金課税というややこしい別の税負担もありますので要注意です…。

(2)不動産売買業の個人

この場合の転売益にも本来は特別に重課制度がありますが、やはり2000年末売却分までは凍結され、通常の所得税・住民税・事業税の課税だけです。法人税と異なり累進税率で、所得が増えると徐々に税率が高くなり、最高税率は単純合計で55%です。

転売益以外の他の所得控除後課税所得300万円としましょう。すると転売益1000万円に対する税率は約40%の405万円。他の所得が300万円でなく1800万円ともなれば最高税率55%で550万円です。事業税5%が翌年の経費になるので実質負担は2〜3%下ることになり、実質それぞれ38%・52%程度となります。

(3)一般の個人

固定資産として購入した個人が来年に売却したとしましょう。

個人の5年以内固定資産売却には重課制度が残っています。この固定資産売却は事業でないので事業税はかかりません。

所得税住民税合計の税率は最低52%から最高55%です。1000万円の売却益に対して確実に半分以上は税金です。

(4)要するに

微妙ですが、競売その他、来年転売益が確実な物件の場合には、法人で購入するのが税率上では有利なようです。法人で取得し売却予定年に役員報酬等で調整ができれば万全でしょう。

同族会社は前述の留保金課税に注意です。また2001年には重課復活の可能性もあります。

長期所有での売却益への課税


すぐに転売せず、固定資産として長期所有し確実に売却益がでる…すなわち5年超所有の固定資産売却益への課税はどうでしょうか。残念ながら5年先の税制は不明です。仕方ないので、今年の税制で考えてみましょう。

(1)法人

法人の場合の税率は、前述の短期転売のの場合の税率と同じです。(税率31%又は42%)

(2)個人

個人の5年超所有譲渡所得は、金額にかかわらず、所得税住民税合計で税率は一律わずか26%です。(2000年末までの特例で、原則は所得6000万円まで26%、6000万円超は32.5%)

(3)要するに

長期では個人が有利です。

税法上では、超短期転売は法人が有利、長期保有は個人が有利のようです。
過去の欠損金・金利等の扱い・特例適用等等も考えなくてはいけませんが…。


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