実録不良債務処理




実録不良債務処理 第3回 苦しい連帯保証人



実録不良債務処理 住宅新報1997年5月16日から7月4日まで連載 
第1回 不良債権処理と不動産第2回 資産家の相続税対策の清算第3回 苦しい連帯保証人第4回 マイホーム売却損第5回 土地売却で会社債務整理第6回 銀行は会社清算を要求第7回 担保売却後の残債第8回 最後の切り札・滌除
この原稿は97年春に書かれています。その後に税制の改正もあり・金融監督庁の対応も変わっていますので、現在とは異なるところもあります。またその後の貸し渋り等を経て、経済環境も大きく変わっています。そのために現在になじまない内容も有りますが、ご容赦下さい。特に金融機関の対応は、その後極めて厳しくなっています。この原稿は今となっては金融機関に対して好意的過ぎる内容になっています。バードレポートと重複する部分もあります。

住宅新報1997年5月30日号掲載  Aさんはもうすぐ80歳です。かつて都心部の商業地で豆腐店を元気に営んでいました。バブルの頃に銀行員が足繁く通うようになりました。以下はAさんの言葉です。・・・・・・・・
「銀行員の勧める通りに相続税対策として、店舗兼自宅を取り壊してオフィスビル建築しました。資金はその銀行から全額借入しました。銀行が建設会社まで紹介してくれ、ビルは建てました。」
「豆腐店を廃業してビルの家賃で生活することになります。駅から少し遠いので心配でしたが、銀行の支店長が『大丈夫』と太鼓判を押したので決断したのです。結局、テナントはうまらずに最初から返済不能です。支店長は転勤し、銀行は責任も取らずにすっかり冷たくなり競売するぞと言ってきます。」
「今では土地建物全部売っても、建物の借入金が返せない状況です。夜も寝られず、死のうかとまで考えるようになりました。銀行の提案を信じただけなのに。泣いても泣ききれません。」
「自分は仕方ないと諦めもつきますが、長男を連帯保証人にしてしまったのを後悔しています。自分は先も短いけれど、長男はずっと連帯保証人の立場を引きづり生きていくことになるのです。」
「このままでは競売されてしまいます。競売になると手元にお金を残すことはむづかしくなるというので、銀行にお願いして競売でなく任意売却にしてもらうことにしました。賃貸アパートに移る為の費用と当面の家賃生活費ぐらいは残してもらえそうです。」
「銀行借入時に銀行系列の保証会社に保証料を払いましたが、あれは何だったのでしょうか。あれは私が返済不能になっても代わりに返済してくれる為のものだと思っていました。たしかにその保証会社が銀行に返済してくれましたが、その保証会社が今度は私に請求してきます。これでは一体何の為の保証料だったのでしようか。」
 苦労し、大変な思いをするのは、連帯保証人のです。
 このような土地売却時には銀行は回収不能額を貸倒として償却しようとします。その際に連帯保証人からの回収ができそうならば償却はできません。しかし、保証人が自宅等を売り払って無資産になり、保証人からの回収可能額が利息に満たない程度ならば税務上の償却をしてもいいと大蔵省は銀行を指導しています。
 償却できれば銀行の払うべき法人税等が減ります。それなら連帯保証人を開放してくれてもいいのではないかと思うのですが、なかなかそうしてくれません。銀行が税務上償却してもそれは銀行内部の話だけであり、保証人を開放することはほとんどありません。年金生活者等の負担による低金利で利益を出し、国に払う税金までも減るにもかかわらず理不尽ではないでしようか。
 現実には、一部の消費者金融等と違い、銀行では償却後の督促まではしないようです。しかし、法律上の債務は残っていますから、 銀行が明確に債権放棄等をしてくれない限りは、連帯保証人である長男は、銀行からの追求におびえ続けなくてはいけません。  Aさんの場合はAさんが死んだら子は全員相続放棄することにしました。次に連帯保証人の長男が死んだら孫と嫁が全員相続放棄です。辛いけれど自己破産をしない限りこれしか方法はありません。
 なお、子全員が相続放棄しても、Aさんの金融資産・無担保不動産・生命保険等優良財産のみを遺言等で孫等に渡すことは可能です。また、権者からの差押さえ等から守る為には、一時的に緊急避難として他者の名義に変更することも、税務署で説明すれば税務上でも可能です。(他者名義にすると本来は贈与税課税です。)
 このような整理を進めるにあたって困ることは、だれが連帯保証人になっているかが不明なことです。借入時には山ほどの書類に印鑑を押させられ、控えが残っていないことが多いようです。まず、銀行に行って、「返済計画を立てるので、だれが保証人になっているか教えてほしい。」とのお願いから始めなくてはいけません。 



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