進化する不動産




進化する不動産 第3回 自己責任



進化する不動産 住宅新報1998年10月9日から12月4日連載
第1回 証券化第2回 容積率移転第3回 自己責任第4回 効率経営第5回 貸し渋り第6回 建物第7回 収益還元

>住宅新報1998年10月16日号掲載

 「私たちは今こそ、経済における二つの重大な原則、『ツケは必ず払われねばならない』、および『自分の大切な財産は自分で守るしかない』をかみしめるべき時にきている」……「爆発する郵貯と生保・浅井隆著 第二海援隊刊より」
 日本の社会は規制緩和が進み自由な社会に向かっています。しかし規制のない社会は自己責任社会です。
 大銀行だから、大企業だからと、その社員の言うこと鵜のみに信じ、他人任せで、ろくな確認もせず借金をし、財産を預け、それが原因で破綻しても「そんな相手を信じたあなたが悪い」といわれる社会です。
 土地活用で多少の失敗をしても、土地神話時代なら地価上昇で補填できました。しかし、今は一回の失敗が命取り。大地主さんの破産などありえなかったのですが、今や大地主さんの破産は珍しくありません。

「特定優良賃貸住宅」(通称「特優賃」)という公的補助金付き賃貸マンションを切り口にする建築営業が花盛りです。驚く程好立地での事例が増えています。右肩上りの「バブル」は終息しましたが、この特優賃にはバブルが生きています。それは入居者家賃です。家賃は毎年数%づつアップします。バブルであるまいし時代錯誤もはなはだしいと思いませんか。
 当初家賃は安いから満室でしょうが、いずれ空室だらけ。一括借上方式はともかくも、空家になれば家賃は入りません。空家を埋めようと思っても、所有者が自分で探すことは制度上では禁じられています。たとえ一括借上だって、経済実勢とかけ離れたものが長続きするはずもありません。
 しかし「公的制度だから大丈夫」と建設会社は営業を続けています。時代錯誤の自治体も、お気軽営業の建設会社も何も考えていないのか、確信犯なのかのいずれかでしょう。(一部の自治体は補助も少ないが制約も少ない制度をやっと始めました。)
 確かに特優賃は検討すべき有利な制度です。しかし、公的制度だからいざとなれば救ってくれる、という幻想を信じてもいいのでしょうか。自己責任社会です。
 特優賃ばかりでなくどんな制度も失敗すれば「そんな制度を信じたあなたが悪い」と言われます。
 将来の物納を前提に、建設会社主導で保証金方式定期借地権を設定した土地は随分あります。現行の大蔵省の扱いでは、これらの底地はそのままでは物納不可となっているはずです。通達改正で物納価格も下落しています。これだって「信じたあなたが悪い」のです。
 参考になるのが「デューディリジェンス」の考え方です。米国では物件購入時の物件調査は買主負担で専門家に頼みます。これがデューディリジェンスです。日本の物件調査は仲介料のおまけです。仲介会社が仲介料を得るためには「重要事項説明」をすべしと法律が定めているからです。何千万円・何億円という大きな買い物なのに、買主は仲介料を払っても、調査料を払う習慣がありません。「いい物件を仲介し、いい提案をしてくれれば、どんな会社に頼んでもいい。しかし、物件調査や提案検討は、自ら金を払って信頼のできる先に頼む。仲介会社や提案会社の説明はそのまま信じない。」外資が当たり前のように実行していることです。日本が影響を受けないはずはありません。そんな不動産自己責任時代は目前です。
 そんな自己責任社会であればこそ不動産コンサルやFPが、その役割が期待され、注目されていくでしょう。


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