進化する不動産




進化する不動産 第4回 効率経営



進化する不動産 住宅新報1998年10月9日から12月4日連載
第1回 証券化第2回 容積率移転第3回 自己責任第4回 効率経営第5回 貸し渋り第6回 建物第7回 収益還元

>住宅新報1998年10月16日号掲載

 日本では企業経営において土地は必要不可欠でした。
 新設の会社が銀行に融資を申し込んでも貸してくれません。担保となる土地を持っていないからです。銀行は土地担保なら貸しますが、経営者の連帯保証だけでは貸しません。土地を持たない創業経営者は必ず口惜しい思いをしています。会社は利益が出ると将来の担保のために土地を買わざるを得ませんでした。土地神話時代はその土地も値上がりし、その結果として銀行も潤沢に融資してくれました。しかし今では貸し渋りで土地を持っていても貸してくれません。
 99年4月以降開始の事業年度からは、貸借対照表・損益計算書の他にキャッシュフロー計算書の開示が上場企業には求められています。
 「利益は意見であり、キャッシュフローが事実である。」という言葉があります。償却方法とか引当金とかで利益調整はいくらでも可能です。キャッシュフローとは企業がその努力により生み出した現金を示します。利益のように調整ができません。キャッシュを生まない不動産を買うことや持ち続けることは経営者としてマイナスの評価となります。そして、会社を評価するための指標は、売上や利益の絶対額よりも経営効率が重視されて、それが株価に反映されるようになります。
 ROE(総資本利益率)やROA(総資産利益率)です。そこへ時価主義のうねりがやってきています。グローバルスタンダードにおいては金融商品については時価主義です。不動産については今のところ時価主義は標準にはなっていません。しかし、大きな流れは時価主義になっています。
 キャッシュフローを重視し、そして時価ベースによる経営効率が評価の対象になってきています。
 ある上場会社の経営者が次のような提案を受けました。この提案に対する経営判断をその会社への投資家である株主はどのように評価するのでしょうか。
 その会社にはバブル期に仕入れた塩付けの土地があります。時価は買い値の半値。あるデベロッパーから提案がありました。
 「土地を50年間貸しませんか。定期借地権マンションで土地活用をしましょう。地代は土地の時価の2%で安定収入になりますよ。貸すだけで売却しませんから財務諸表上で売却損をださずに処理ができますかよ。不良在庫土地が収益を生む優良固定資産になりますよ。」
 地代としてのキャッシュフローは確かに確保はできます。しかし、値下りしたとはいえ高額な財産は株主からの預かりものです。それをわずか2%でしか運用できない経営者は失格と評価されるでしょう。時価ベースでの総資産利益率を考えるのであれば、自ら利益を生めない財産は換金化して、他の事業機会に投資するしかありません。
 いつまでも含み損や含み益を隠したままで、効率もスピードも考えない経営をしていると「株式市場」が失格の評価をします。今まで定借マンション用地を供給したのは誰でしようか。個人地主と自己所有地で事業を始めたデベロッパーや除けば、経営効率不問の外国政府や公益法人・宗教法人ばかりが目に付くはずです。
 利益を生まない土地を、上場会社が何の目的もなくただ持ち続けることは、株主に対して「悪」です。その土地は不動産のプロの手によって、効率良く運用され活用されていくことになるでしょう。


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