賃貸住宅の維持管理システム




賃貸住宅も建物をつくれば賃借人がうまるという時代ではなくなっている。



…全日紀尾井町フォーラム研究プログラム(http://www.zennichi.or.jp/forum/index.html)
報告と提言「中古住宅とその市場はどうあるべきか」(2002年5月)
のためにまとめた提言メモです。


 右肩上がり経済から成熟社会を迎え、賃貸住宅も建物をつくれば賃借人がうまるという時代ではなくなっている。
 時価主義会計・不動産証券化・ストック化社会という流れのなかで、顔の見えない「投資家」の所有する収益物件が急増しつつあり、適正な管理受託業者が求められている。大企業による賃貸賃貸住宅の供給がすすみ、大規模システム的な経営による賃貸住宅と個人経営の賃貸住宅経営の激突が始まり、より専門的な立場にたった賃貸管理業務が求められている。

  1. 所有と経営の分離
    不動産証券化が進み、投資運用商品としての不動産が注目を浴びている。機関投資家・年金資金・その他個人投資家の資産としての「不動産」が増大する。これは所有者の顔の見えない「不動産」となる。そしてその「不動産」の管理受託先が求められている。
    これは金融機関と同様の「他人の財産」あるいは「他人の金」を預る仕事となる。
  2. 経営の複雑化
     成熟社会を迎え、賃貸住宅についても量的競争から質的競争に移っている。制度そのものが複雑化している。
    素人経営からプロ経営への転化が求められるようになっているのであり、また細分化されたマーケットニーズに対応することつまり賃貸住宅の間取りの決定や建物や管理のグレードの決定、社会経済の動きへの対応例えば定期借家制度の活用は素人家主には困難になっている。そして間取りやグレードや賃貸借契約如何により収益に差がつくことになりその物件の価値を左右することになっていく。
     また投資ファンド等が賃貸住宅ビジネスに参入しており、既存の個人大家による賃貸住宅経営と真っ向からぶつかり始めている。投資ファンドは言わば玄人経営であり、それに対して個人大家さんによる素人経営は同立ち向かうのであろうか。まさにそこに対して玄人賃貸住宅経営としてのコンサルを行える不動産業者の存在が求められている。
     また不動産は常に劣化する。1年経過すれば確実に築年数がプラス1年となる。それゆえに、どう追加投資をするのかの判断が必要であり、それは新規不動産取得もありリニューアルもある。プロパティマネージャーの発想だけでなくアセットマネージャーの発想も必要。業として考えるのなら不動産の入れ替えも当然に考える時代になってきている。「売り時」と「買い時」の判断が求められる。そしてこれについても個人地主さんに対する不動産業界が求められるコンサルであろう。
  3. 大企業による居住系賃貸ビジネスへのへの参入
    大企業による都心部の良質賃貸住宅供給は、いずれは郊外の地主賃貸住宅へ波及し影響する。これまでの大企業や機関投資家は商業用不動産投資は行っても、居住用賃貸物件投資は積極的ではなかった。しかし近年は商業系に比べ居住系物件の利回りがいいことや高額賃貸物件のニーズが拡大していること、また定期借家制度による法的環境の整備から、都心部を中心として居住系賃貸物件に対する投資がより積極的になっている。
    大規模経営の賃貸と個人経営の賃貸との客の取り合いが始まる。消費者ニーズをくみ上げながらシステム的な経営を行う大規模経営の賃貸住宅と、消費者ニーズよりも地主のニーズが優先された賃貸住宅との激突である。REIT等の大規模化効率化された大規模経営と真っ向からぶつかる相続税対策のにわか家主はひとたまりもない。米国には20万戸を所有するREITまでもが存在する。
  4. 個人地主の土地活用
    「土地の有効活用」なる言葉が日本には存在する。この言葉を英訳するのは極めて困難である。つまり「建物を建てる」のではなく、「土地が余っているから、特に必要もないけれど、なにか活用する」といった意味にちかいだろう。だから「儲からなくていい」「損しなければいい」「相続税対策になればいい」といった所有者が多く存在することになる。これらの賃貸住宅経営は「ビジネス」でないだろうから、「ユーザー無視」「オーナー都合最優先」がまかり通り、時として良質な賃貸住宅供給の妨げともなる。

おまけ…玄人賃貸住宅経営と素人賃貸住宅経営
事業vs 生業副業相続税対策
法人vs 個人か実質個人
賃貸適地で運営vs いまある土地で運営
売ったり買ったりが前提 vs 死んでも売りたくないから相続対策
土地取得もコストvs 土地は先祖代代だからコストでない
土地建物の利回りvs 建物だけの利回り
家賃払う客はいい客vs 家賃はしっかり払っても挨拶しない客は追い出す
価値の最大化vs そんなこと考えない
物件の計画的管理維持 vs 生活にカネがかかればやらない
管理費のローコスト化vs そんなこと考えない
競争社会へ先手対応vs そんなこと考えないが、いずれ巻き込まれる。

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