中古住宅税制と住宅政策の関係




「耐用年数」の呪縛からの解放



…全日紀尾井町フォーラム研究プログラム(http://www.zennichi.or.jp/forum/index.html)
報告と提言「中古住宅とその市場はどうあるべきか」(2002年5月)
のためにまとめた提言メモです。


「耐用年数」の呪縛からの解放
 直接の税制の問題ではないが「耐用年数」の字句が建物寿命への考え方を誤らせている原因の一つとなっている。税務において「耐用年数」なる用語を用いることで社会が建物の寿命に対する錯覚をし建物を適正に評価する際の妨げとなってしまうのである。物理的耐用年数と税務の定める耐用年数は異なるのはやむを得ないものであり、税務においてはその減価償却の基礎となる率等を一律に定めざるを得ないであろうが他の用語により対処すべきである。

  1. 税制上は課税の執行をおこなうために、一律に規定が設けられることは必要不可欠なことである。建物の減価償却をおこなうために各建物について一定の区分を行い、その耐用年数を一律に設定するのはやむを得ないことである。
  2. しかしながらこの税務における「耐用年数」が一般経済に一人歩きしている。税務上の耐用年数とは減価償却費を算定するために一律に定めた年数にしか過ぎない。しかしこの「耐用年数」という単語が一人歩きし、その「耐用年数」を超過した建物については利用するに耐えられないものと考えられるに至ることもある。
  3. 税務においては「耐用年数」そのものは重要ではなく、課税所得計算にあたって直接影響ないものである。この「耐用年数」ごとに定められている償却率により、減価償却費が計算されるだけである。あえて「耐用年数」という字句にこだわる必要がないといえる。更に言えば、現実の建物の程度にかかわらず税務が「耐用年数」なる言葉を用いてその年数を定めることは言わば社会経済に対する税務の越権行為ともいえる。税務は建物の区分に応じての償却率を定めればそれで十分なはずである。「耐用年数」という字句の利用を止めるべきである。確かに会計上では47年で帳簿価格としての財産価値はゼロに近い金額になってしまうが、それは会計上の問題に過ぎないのであり、その建物の現状がどうなのかは別の問題である。
  4. 近年、耐用年数の見直しが行われた。鉄筋コンクリート住宅の耐用年数は、60年から47年へと短縮されることになった。耐用年数の短縮そのものは、減価償却費の計上額が大きくなることであって減税とも言えることである。
    しかし100年住宅として100年間は活用できるように建築された建物であっても税務上の耐用年数は47年が適用されることになる。
    「鉄筋コンクリート住宅は60年はもつ」といまだに世間で言われることが多いがそれはこの旧耐用年数の60年という数字が大きく影響している。減税の結果としてそれが47年になったことで「鉄筋コンクリート住宅は47年はもつ」といわれてしまうことにもなりかねない。
    問題はこの税務の定める耐用年数により、鉄筋コンクリートの住宅は47年もてばいいとの発想が生まれることであり。木造アパートは耐用年数の20年もてばいい、さらに20年経ては価値はゼロとの発想を呼ぶことでもある。

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