トピックス20020307




たかが名義、されど名義! ATO 通信14.2.28 号



バードレポート・トピックス版 2002.3.7.

たかが名義、されど名義! ATO通信14.2.28号
税理士法人ATO財産相談室の阿藤芳明税理士にお願いして、同社発行のATO通信を転載させていただきました。  同社は、http://www.ato-zaiso.net/をご覧下さい。ご相談等は同社03-5468-6700までどうぞ。

1.3月15日までなら直せます!


夫婦共有でマンションを購入しました。深い考えもなく、1/2ずつの持ち分登記。これは税務上、何を意味するのでしょうか?持ち分を登記する事はそれに相当するお金を用意したと言うことなのです。このケースで言えば、自己資金であれ借入金であれ、夫婦それぞれが半分ずつの資金を用意した事を意味するのです。

もし、名義と資金出所が一致していなければ、その一致していない分は贈与があったものとみなされます。ギクっとした方、ご安心下さい。3月15日、つまり確定申告の最終日までに登記を直せばよいのです。錯誤登記という手法で解決できます。

2.ペイオフも要注意!


いよいよ4月から定期性預金のペイオフが解禁予定です。預金名義人毎に名寄せをし、元金1千万円とその利息を超える部分は保証の限りではありません。それなら、ご主人名義の預金を妻、子供2人の計4人にすれば、4千万円は安心なのでしょうか?確かにそうです。が、税務署はこんな時、ご主人から奥様や子供らへ贈与があったことになりますよ、と脅かします。そうか、贈与税がかかるなら、ここはひとまず撤退で、元の名義に戻しておこう!

3.税務署得意の二枚舌


さて、前述の例で税務署の脅かしにもめげず、妻名義の預金のまま10年が経過。幸いに贈与税の課税もなく、夫の相続を迎えました。妻名義の預金、奥さんの認識では7年バレず、贈与税の時効が完成です。晴れて預金は自分のもの。

しかし、一筋縄では行かないところが税務署です。今度はこんな事を言うのです。奥さん、専業主婦でご自身の収入はなかったのでしょ。あれは奥さんの名義にはなっていても、実質ご主人のものです。つまり、相続財産として計上しなければならないものなのですと。これが、このATO通信でも何回かお話した名義預金なる代物 (しろもの)です。

名義を借用した時点では贈与だと言い、相続の時は単なる名義預金なのだから、相続財産だと宣( のたま ) うのです。何たる二枚舌! ただ、これは税務署という役所の本質的な性格で、建前はともかく、要は税金を取り立てる役所なのです。調査の時は、あの手この手で課税することだけを考えているのです。こんな時、安易に妥協してはいけません。相手は税務署。外務省ではないのですから、大声で恫喝( どうかつ ) せず、理詰めで応戦しましょう!

4.奥の手、過年分も修正して誠意を示そう!


この時期、毎年1-2件使う苦し紛れの奥の手をご紹介します。誤解の無いよう申しあげておくと、駆け込みの新規のお客様です(つまり当社の不手際ではない!)。

AB二人の借地人(借地権は共有)の方が、下図のように隣接する甲地、乙地に共有で2棟の貸し家を共有で持っていました。2棟の家賃は若干違うのですが、本来2棟分の合計額を二人で均等に申告すべきです。しかし、何年間も甲地の貸し家はA、乙地の貸し家はBの名で申告をしてきました。

この度、地主との間で土地の交換をし、互いに完全所有権の形態に変更することに。借地権はAB二人の共有のため、従来の申告の仕方ではそれが反映されておりません。そこで、本年分の申告は本来の形で行うと共に、過年分についても訂正です。Aは減額、Bは増額の申告になります。増額分は問題ないのですが、減額については原則的には1年分しか訂正ができません。こんな時は嘆願書と言う形でお願い申しあげるのです。お二人通算では増額になるのですが、仮に減額分は認められなくても無理を言う以上、ここは遡 ( さかのぼ ) って直すのが誠意というもの。この例を含め、こんな形で過去を訂正すれば、何とかなることが多いのも実務なのです。

法律的な意味も含め、名義は重要です。色々な便法はあるものの、強いのは真実。たかが名義、されど名義で様々な場面で要注意です。


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