トピックス20020822




JA共済連が生保収益の内訳を公開・超優良保険会社「簡保」への負担者は誰・保険会社は保険契約の含み損



バードレポート・トピックス版 2002.8.22.

JA共済連が生保収益の内訳を公開


生命保険では保険収益の源泉となる3つの損益を3利源と呼んでいます。予定した運用利率と実際の運用を比較した「利差損益」、予定した経費額と実際の経費額の差額「費差損益」、死亡率などの予想と実際の差額「死差損益」(JA共済連では「危険差損益」と呼ぶ)。この合計が生保会社の「基礎利益」です。

さて民間生保各社はこの3利源の内訳を公開していません。それをJA共済連が公開しました。

  利差損益   マイナス 5530億円
  費差損益   プラス  2064億円
  危険差損益  プラス  8159億円
  合計基礎利益 プラス  4693億円

過去の高利回り契約等による逆ザヤは5530億円ですが、経費削減で2064億円の黒字、思ったよりも死んだ人等が少なく保険金の支払いが少ないため8159億円の黒字。つまり逆ザヤは大きいものの利益が出て、それなりの配当(割戻し)も可能、ということです。一般生保会社は3利源の開示に消極的です。(日経ビジネス2002.8.5号)

さてこの3利源を考えてみると不公平な数字です。年金や養老保険等の昔の高利回り貯蓄性商品は保険会社にとって大幅赤字。最近契約した定期保険等の死亡保障商品は保険会社にとって大幅黒字。保険会社はバランスがとれています。しかし契約者ひとりひとりには不公平になります。

死亡保障中心の商品の契約者は、貯蓄性商品の契約者という「赤の他人」のために、高過ぎる保険料を負担しているのです。死差益(危険差損益)が大幅黒字であるのなら、死亡保障中心の商品の保険料は本来はもっと安くあるべきなのです。

民間生保の3利源が開示されれば、「得な保険」と「損な保険」とがいよいよはっきりしてきます。

超優良保険会社「簡保」への負担者は誰なのか


簡易保険の1000万円以下の個人保険におけるシェア45.1%です。契約者にとっては民間生保のように潰れないし国家の支払保証があるから安心です。

しかし法人税も払わず、破綻生保のための積立である契約者保護機構への拠出もしません。簡保資金121兆円のうち46兆円は財政投融資で運用されています。日本道路公団や本四連絡橋公団等への融資です。これは貸倒れ心配無用の高利運用だそうです。苦しくなれば公団は国から借金をして利払いします。万一公団が破綻すれば税金が投入されて簡保へ返済するのでしょう。(週刊ダイヤモンド2002.8.24号)

これも不公平。民間生保の契約者や生保会社が払った税金が間接的に簡保を守っています。そして巡り巡って簡易保険の契約者の保険金を守ります。

保険会社は保険契約の含み損計上?


負債にも時価主義会計があります。最近では退職金給付会計として大企業は多額の債務積増しを強いられました。遠い将来に多額の支払いがあれば適正な金利水準での債務の現在価値を計算し直します。

積立金の運用を4%で計算していての20年後に3000万円支払の現在価値の債務額は2059万円です。しかし現実に即しての1.5%で計算し直せば2602万円です。帳簿価格が2059万円とすれば差額543万円が不足であり、この不足額を何らかの形で損失として処理し債務(計算上の積立金)の積み増しをしなくてはなりません。つまり負債の含み損の計上です。

国際会計基準審議会が保険会社に対して保険契約を時価評価するようにと検討しています。つまり上記金額を将来の支払い保険金として計算するのです。

かつて高利で募集した生命保険契約に対して現行金利で再計算を行い、差額を損失処理して債務に計上するということです。過去の高利募集契約の例えば20年後の満期保険金や年金の支払いに対して損失計上により債務の積み増しを行うのです。

もちろんそうすれば債務超過保険会社も続出するでしょう。日本ばかりか多くの国の保険業界が抵抗しており、このまま会計基準の変更になるとは思えません。しかし欧州では参考情報として公開している企業もあるといいます。日本でも開示方向の生保会社もあるそうです。相互会社の生保各社が株式会社化し公開すれば会計基準の変更からは逃げられなくなります。(週刊東洋経済2002.8.24号)

大手上場企業が皆一斉に不動産の売却に向かったのは会計制度変更が大きな理由のひとつでした。大企業は不動産を積極的に所有しなくなり、それにより不動産市場は大変動しています。保険においても会計制度変更で経済が大きく変るかもしれません。


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