トピックス20040115




予想外のとんでもない税制改正 ATO通信15.12.19



バードレポート・トピックス版 2004.1.15.

税理士法人ATO財産相談室の阿藤芳明税理士にお願いし、同社発行ATO通信を転載させて頂きました。
 同社は、http://www.ato-zaiso.net/をご覧下さい。
 ご相談等は同社03-5468-6700までどうぞ。


  1. 10年超所有の事業用資産の買替え、3年延長
  2. 不動産の売却損の損益通算不可
  3. 譲渡税率の改正
  4. 長期100万円控除の廃止


予想外のとんでもない税制改正 ATO通信15.12.19

12月17日、平成16年度税制改正大綱が発表されました。全く予想外の展開で、特に不動産関連税制は、正に激震です。一体どの程度の時間をかけて議論されたのか分かりませんが、何の前触れもない事項の改正も。激震部分だけを先ずはご説明です。

1.10年超所有の事業用資産の買替え、3年延長


事業用資産の買替え特例といって、一定の条件の下、事業用資産の買換えを行った場合、最大で通常の税額の1/5になる特例があります。中でも最も利用しやすい制度が、10年超所有というだけの条件のもの。これが15年末で期限切れと言うことになっていたのです。他の制度との関連や従来からの経緯から、期限の延長は99%あり得ないとされていました。

そのためクラブATOの会報誌等でも盛んに買換えは年内まで、そのためにはこうしよう、と煽って参りました。それがあっさり延長。嬉しいことではあるのですが拍子抜け。政治の世界は分かりません。

2.不動産の売却損の損益通算不可


これが最大の激震です。従来は例えば不動産を売却して売却損が出た場合、不動産所得や給与所得との通算ができました。これを損益通算といいます。儲けが出たときだけ課税して、損が出たときは知らん顔ではあまりに理不尽。従って、この通算は極めて自然な考え方、取り扱いです。法人税だって不動産売却で赤字が出れば、本業からの黒字と通算です。何と、2004年からはこれができません。棚卸し資産といって、いわゆる商売用の品物以外の資産を売却した場合の所得を譲渡所得といいます。

譲渡所得同士の通算は認めても、不動産の売却損について、他の所得との通算を認めないことになってしまったのです。これが1月1日以降からなのか4月1日以降からなのか、現時点では不明です。しかし、1月1日以降からとなったら大変です。もはや売却損は面倒を見て貰えなくなるのですから。

もし現時点(2003年12月)で不動産の売買契約を締結し、引き渡しは来年で売却損が出るものであれば、何としてでも本年(2003年)分の所得として申告しましょう。譲渡所得の申告は、原則は引き渡しがあったとき、例外的に契約時点での申告も可能です。が、ここは考えるまでもありません。

ただ、特定の居住用財産の売却損は従来通り損益通算が可能です。つまり、2004年以降救われるのは、一般論ではこの居住用の特例と他の不動産売却益がある場合だけ。筆者に言わせれば、憲法違反の改悪です。含み損があるのなら2003年内処分は必須です。今から売却ができる相手?実務的にはご自身の同族会社を利用するしか、他に善後策は考えられません。

■以上は2003年12月時点でのアドバイスです。■

3.譲渡税率の改正


これは極めて朗報です。所有期間5年超の物件の売却を長期、5年以下を短期の譲渡所得といいます。従来は所得税住民税の合計で長期が26%、短期となれば最高で50%を超えていたのです。これがそれぞれ20%、39%となりました。長期は未上場株式並に引き下げです。

さて、ここまで来ると色々なことを考えなくてはなりません。年内に慌てて前述1の事業用資産の買替え特例を利用して、当座の節税をしておこう、と売却なさった人は多いのです。しかし、この特例はあくまで課税の繰り延べといって、未来永劫税負担が低くなった訳ではないのです。当座の税額が低くなり、その負担を先送りするだけです。それなら改正後の20%税率を利用して、課税関係をここで完結する方法も考えられます。

4.長期100万円控除の廃止


長期の譲渡所得については100万円の特別控除がありました。つまり、売却益が100万円以下なら実質課税がなかったのですが、これも廃止、増税です。

5.非上場株式の譲渡税率も20%

従来の26% が20% に引き下げで、不動産と同様です。減税になるわけで大いに結構。非上場会社のオーナーは後継者難に苦しむより、20%課税で売り逃げし、ハッピーリタイアメントも増えそうです。

事業承継といえば、嬉しい話題がもう一つ。やや専門的になりますが、相続時にオーナー所有の自社株を会社が買い取る際の金庫株。みなし配当という負担の大きい課税がなくなり、単純に20%のみ。

これらはいずれも今後の事業承継対策に大きな影響を与えること必至です。

その時々の政策で決まるのが税制とは言いながら、理論的には納得できない今回の税制改正です。



cats_back.gif





バードレポートとは


 
clip_blue_1.gif




前号

次号


関連する項目
不動産ビジネス手法
不動産と金融会計
相続税対策申告
トピックス版2004年

このレポートと同じ年分リスト
2004年リスト




あんしん生命資料請求
  • 使わなかったら払った保険料が全額戻ってくる医療保険

保険ショップインフォ
  • 地域から探す
  • 保険ショップの使い倒し方

保険ショップ


バードレポート

Google
Web検索
当サイト検索

バードレポート項目別
不動産ビジネス手法
不動産賃貸経営
不動産と金融会計
定期借地権定期借家
不動産証券化
債務整理と企業再生
不良債権処理
債務処理の税務
相続税対策申告
路線価評価相続評価
物納と相続税調査
譲渡税買換特例
住宅税制住宅減税
固定資産税
税制改正
その他不動産税制
その他税制
相続対策と遺産分割
生命保険
その他不動産関連
その他
トピックス版・年別リスト
カネボウ劇場
発行元情報

バードレポート発行順
発行年順リスト
clip_blue_1.gif
clip_blue_3.gif