トピックス20080508




還付金請求すると、即調査? ATO通信20.4.30



税理士法人ATO財産相談室の阿藤芳明税理士にお願いし、同社発行ATO通信を転載させて頂きました。


同社は、http://www.ato-zaiso.net/をご覧下さい。ご相談等は同社03-5468-6700までどうぞ。


  1. 還付金請求すると、即調査?
  2. 還付でお馴染みは医療費控除?
  3. 消費税の基本的な考え方
  4. 消費税還付の典型例
  5. 工夫すれば 還付もあり得る消費税
  6. 還付の申告書が提出されると…
  7. 還付の申告はやっぱり狙われる!


還付金請求すると、即調査?

    ATO通信20.4.30

税金を納めるお役所が税務署です。しかし、必要以上に納めた場合、当然のことですが還付されることに。

理屈はただそれだけのことですが、還付についての実状はなかなか厳しいものが。還付金の請求をすると、税務調査を呼び込む事が多いというお話の御紹介です。

1.還付でお馴染みは医療費控除?


還付と言えば、お馴染みは医療費控除でしょうか。

サラリーマンの場合、毎月の給料から受給時に源泉の形で所得税が控除されています。そこでは医療費の負担は考慮されていません。そのため、実際に医療費があれば、確定申告で控除対象額を明示することにより、税金が還付される仕組みになっています。

その他には年の中途で納めた予定納税の額が、最終税額より多過ぎればこれも当然還付されます。これらはいずれも税務署にとって、既に納められた税額の訂正で、それ程抵抗なく還付の手続きが期待できるものなのです。

2.消費税の基本的な考え方



ちょっと毛色の違うのが消費税です。消費税の納税の原則は、売上等でお客様から預かった消費税と、諸経費等の支払いでご自身が負担した消費税の差額です。

申告に際し両者を比較して、前者が多ければ納税に、逆に後者が多ければ還付になる訳です。

他の税目と違うのは、消費税の納税義務があるかないかの判定を、基準期間といわれる期間の課税対象の売上額で決めるところでしょう。

この基準期間、通常は2年又は2事業年度前の事を言い、この売上げが1,000万円以下であれば、免税事業者となって消費税の申告義務は負わないのです。

3.消費税還付の典型例


さて、消費税が還付される典型的な例は建物を建築や購入した場合です。アパート等の居住用でない賃貸建物を建築したとします。店舗や倉庫のように、その賃貸料の性格が消費税の課税の対象となる建物が前提です。

前述のように消費税はその賃料と支払った諸経費等の多寡を比較して申告をすることに。建物を建築した年は、通常の年と違いその建物に係る多額の消費税を支払っているでしょう。つまり、こういう年には消費税が還付になることが多いのです。しかし、初めて賃貸業を開始する場合や2年前には課税対象の売上が1,000万円以下であれば、免税事業者となってしまうため、還付の対象自体が発生せず、申告書を提出する必要がありません。

4.工夫すれば 還付もあり得る消費税


そこで事前の工夫が必要になります。まず、建物を購入や建築をする年・事業年度の開始前に、敢えて『課税事業者』になる旨の届け出をしておくのです。

この手続きで申告する義務が生じ、還付を受ける権利が発生するのです。しかし、その後2年(事業年度)は申告を続けなければならず、納税になる年もあることに注意が必要です。

5.還付の申告書が提出されると…


税務署は建物の建築や購入による消費税の還付については異常なほどの注意を払っています。

と言うのも、これらの場合には還付する税額が比較的大きな金額になるからでしょう。

消費税の課税の対象となる範囲、その事実、計算の適否等々を実地の調査という形で確認するのです。

通常消費税については所得税や法人税の調査の際、いわば"付録"的に調査が行われる事が多いのが実状です。

しかし、還付の場合には消費税単独で調査を行う場合もあるくらいです。それだけ消費税の扱いについて神経質というか、疑ってかかるのです。消費税が納付の場合には、消費税単独の調査はまず行われないのに、です。

6.還付の申告はやっぱり狙われる!


いわゆる同族の管理会社については、管理の実態を鋭く追求されます。多くはペーパーカンパニーで管理とは名ばかり、何もやっていない事が多いからです。

そこで、ATOでは管理ではなく建物自体を法人に所有させる方法を従前からお勧めしてきました。

帳簿価格によって税負担なしで個人から法人に移行させるのです。先日もこの移行時に前述の消費税の還付を請求したのですが、案の定、調査を受けることに。

しかも消費税の単独調査です。この管理会社、私共がお手伝いをする前は個人オーナーから一括で賃借し、それを外部に転貸していました。従って、法人としては賃貸収入と支払い家賃の両建ての経理になっていた訳です。

しかし、何故か賃貸借契約書の形態は個人から直接外部に賃貸の形式になっていたのです。税務署の指摘は契約当事者が法人となっていないため、賃貸収入を法人が計上することはおかしい。法人の行為は単なる管理に過ぎないとの指摘です。つまり、賃貸収入と支払い家賃との差額だけが実質的に法人の管理収入との理屈ですが、これでは課税売上額が1,000万円以下で免税事業者。

つまり還付は受けられない結果になってしまうのです。結論として以前の税理士の経理処理を認めて貰う交渉に成功しました。が、とにもかくにも消費税の還付の請求は税務署を呼び込むことを覚悟して、厳正な処理・手続きを肝に銘じておきましょう。



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