トピックス版2010.11.18.




定期底地投資NOI利回り・住宅ローン担保証券



バードレポート・トピックス版2010.11.18.

  • 定期借地への底地投資のNOI利回り
  • アメリカの住宅ローン担保証券市場が危機


定期借地への底地投資のNOI利回り



2010年9月15日、森ヒルズ投資法人は虎ノ門35森ビルと元麻布ヒルズの一部とを217億9000万円で森ビルに売却しました。同時に渋谷区神宮前の商業施設の「ラフォーレ原宿」の底地を218億2000万円で森ビルから取得しました。

スポンサーと投資法人との間での不動産の入れ替えは珍しいものではありませんが、対象が原宿の代表的な商業施設であり、その土地だけの売買です。

土地の売買価格は218億2000万円です(鑑定評価額は242億円)。この鑑定評価は土地だけの鑑定で、土地賃貸による地代収入を前提として割引率5.2%でのDCF法による収益価格です。

面積は2565.06uであり、u当たり売買価格は850万円(鑑定評価額では943万円)です。そして前面路線価は平成20年970万円、21年916万円、22年735万円です。路線価は公示価格の80%水準なので、22年の公示価格水準を逆算すると918万円になります。

ラフォーレ原宿の建物は森ビルの子会社の森ビル流通システムが所有しており、土地の売買と同時に20年間の事業用定期借地契約を締結しました。

定期借地契約による地代は年間12億9360万円(3年ごと改訂)です。売買価格に対するキャップレートは5.9%になります。なお参考までに坪当たり月額地代を計算すると14万円弱です。

鑑定評価書には想定賃貸事業費用が年間9000万円とあります。貸地の費用は普通には固定資産税都市計画税だけのはず(9000万円とは随分低い税額に感じるのですが…)。これを差し引いた地代収益に対するNOI利回り(純収益利回り)は5.5%になります。

森ビルのグループ内取引なので特別の事情があるかもしれませんが、貸地でのNOI利回り5.5%というのは随分魅力的です。

ちなみに森ヒルズ投資法人の2010年7月期の全物件でのNOI利回りは3.7%です。ビルを売却して土地を取得することで全体の利回りが底上げされます。

投資法人のプレスリリースに次のようにあります。

「本物件(ラフォーレ原宿の底地)のNOI利回りは、本投資法人のポートフォリオ平均NOI利回りを上回る水準であり、更に建物を所有しないため建物減価償却費の負担が無く、償却後NOI利回りはより一層高い水準となり、ポートフォリオ利回りの向上・分配金増加への寄与が見込まれます。」

土地だけへの投資の方が効率がよいというのです。

なお、単純なビル賃貸とは異なり、ラフォーレ原宿のような超人気商業施設運営はノウハウの固まりであり、それゆえ極めて高収益のはずです。森ビルグループとしては多少高めの地代を払うことになってでも、建物は投資法人には渡さずに森ビルグループとして保有を続けるということでしょう。商業施設運営による収益は土地ではなく建物に帰属します。

(税務において、認定課税を受けない地代水準は土地価額のおおむね年6%程度との定められています。「相当の地代」です。普通借地と違って権利金授受慣行があると言えない定期借地権では認定課税はないともいわれていますが、「キャップレート5.9%」とは、不明ですが、この「おおむね年6%程度」に従った可能性もあります。) (プレスリリース、日経不動産マーケット情報2010.11月)

アメリカの住宅ローン担保証券市場が危機



米国では銀行が実行した住宅ローンの多くは証券化されます。住宅ローン担保証券です。適正な格付けと適正な手続きを信じて投資家が証券を買います。

銀行が差し押さえ物件を競売する際はローン契約詳細や返済不能経緯を精査し、最終的な書面を作成します。しかしリーマンショック後に、急ぐために精査を怠るようになりました。返済や価格が予想を超えて悪化すると証券の買い戻し対象となります。

10月下旬に8つの機関投資家がバンク・オブ・アメリカに対して買い戻しを求めます。買い戻しの費用は業界全体で550億ドルから1200億ドルになるとの試算もあり、市場は危機を迎えています。

一方でこの状況下で銀行は差し押さえが困難になりました。差し押さえ物件の売買は住宅販売の約3割を占め、市場全体を冷やすと心配されています。

市場が疑心暗鬼になっています。英国のフィナンシャルタイムズは次のように報じています。「1990年代の日本を考えてみよう。投資家と消費者は、住宅価格が人為的に高く据え置かれていることを見破った。…この種の不安の一掃が決してたやすくないことは、日本人ならよく知っている。」(日本経済新聞2010.11.6、日経ヴェリタス2010.10.31)」



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