トピックス版2011.4.21.




地震保険は役に立つか・損保会社は役に立つ気があるのか



バードレポート・トピックス版2011.4.21.

  • 地震保険はどのくらい社会の役に立つのか
  • 損害保険業界は社会の役に立つ気があるのか
  • 損害保険会社は地震太りをするのか


地震保険はどのくらい社会の役に立つのか



千葉県浦安市舞浜地区では液状化により多くの家が傾いています。住宅一戸で2トントラック2台分の泥が出ればその分は地盤が沈み住宅が傾きます。

ジャッキで住宅を持ち上げるだけで500万円。全損でも現在の時価ベース(再建築価格ではない)の50%が保険金上限です。傾いただけなら大半は「半損」や「一部損」。前者は上限50%の保険金の更に半分、後者ならその5%です。地盤液状化で、地震保険は頼りになりません。(AERA 2011.4.4.)

通常の火災保険は地震では保険金はでません。火災も津波も液状化も、地震起因なら地震保険が付いていない限り保険金はでません。地震保険の保険金は時価ベースで30%から最大50%に過ぎず。そして、地震保険加入率は、青森14.5%、岩手12.3%、宮城32.5%、福島14.1%、茨城18.7%と低い数字です。

自動車保険も地震や津波の損害は免責です。実は自動車保険向け地震特約がありますが、積極販売はされておらずその特約付保率は1%以下です。買ったばかりの新車は流され、保険は役に立たず、自動車ローンだけ残ります。(週刊東洋経済2011.4.16.)

個別事案は別にし、損害保険会社は地震被災した社会全体にとりそれ程役に立たないと分かりました。

損害保険業界は社会の役に立つ気があるのか



日本損害保険協会の常務理事による投稿文です。

「地震保険という保険について、改めて考えてみた。通常、地震保険は、家と家財の損害について保険金を支払う保険であると説明される。そして、あまりにも大きなリスクであるため…火災保険の保険金額の一定割合(最大50%)までしか保険を提供できないと理解されている。地震保険を物保険に位置づける限り、これは正しい説明なのだが、本当は、この保険は、物保険ではなく費用保険と考えるべきなのだ。地震保険法では『地震等による被災者の生活の安定に寄与することを目的とする』とされており、家の建て替えや家財の再購入のための保険とは記していない。地震によって、人々は家や家財を失うが、併せて、家族を亡くし、失業し、今回の津波では多くが自動車を失った。このような状態から少しでも早く生活を安定させるための当座の資金を賄うことこそが地震保険の本来の役割なのである。…そもそも地震に伴う生活安定資金こそが『保険の目的』であるからである。…(そういう)構造になっていると理解すべきなのである。」(inswatch 2011.4.11.号)

保険料を払い続けた被災者は途方に暮れ、保険代理店や保険会社現場担当者も被災地を奔走します。

その時に損害保険業界を代表する立場の人が評論家然と、(筆者が言い換えますが…)改めて考えてみた。地震保険は再建築の役に立たない費用保険、生活支援目的のお見舞金特約の役割でありそれが目的だ。再建築資金と思いこみ勝手に保険料を払い続けたあなた(契約者)の勘違い。元々その程度の保険と理解すべき…と保険金を払う段になり言い放ちます。唖然です。それとも「地震保険は元々お見舞金特約だ」と広報して「役に立たない保険」との損保非難をかわす日本損害保険協会としての戦略でしょうか。

筆者が地震保険に入ったときに、それがお見舞金特約だとの説明を受けた記憶はありません。地震保険法を理解せずに契約した筆者が悪いようです。

損害保険会社は地震太りをするのか



今回の地震保険の保険金支払額は1兆円規模の見通しです。阪神大震災では783億円でした。

地震保険は支払総額1150億円まで民間負担、2兆円弱までは官民折半、5.5兆円まで政府が95%負担です。政府は4月中にも損保業界に2000億円を概算払い支給します。更に損保各社は5月にも2000億円を政府に要請します。4月14日時点での損保各社の実際の支払額は1104億円です(支払件数8万4033件、1件平均額は131万円)。(日経新聞2011.4.15,16)

概算払いは保険金払い渋りをさせないためでしょうが、政府の損保支援は何とも素早いものです。地震保険は保険会社の儲けは少ないかもしれませんが、万が一は政府負担という仕組みのようです。

地震保険地震特約の付かない火災保険自動車保険は全て払い損です。保険数理上はどうなるか。損害保険会社に「地震太り」部分が生じるのでしょうか。

契約者も受取人も行方不明で、保険金請求されない契約はどうなるのか。まさか「請求されない保険金」益が生損保各社の賞与の原資になるようなことはないでしょうね。「火事場泥棒」などと言われないように、早く詳しく説明いただきたいものです。



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