トピックス版2011.11.24.




特優賃破綻は地主破綻し公社破綻・粉飾法人税の還付



バードレポート・トピックス版2011.11.24.
  • 特優賃の破綻。地主が破綻し公社も破綻。
  • オリンパスは飛ばしたままで20年
  • 粉飾してまで払った法人税の還付は


特優賃の破綻。地主が破綻し公社も破綻。


神戸市住宅供給公社が破産です。処理費用240億円は税金投入です。公社は昭和バブル期の不良資産処理損失90億円を賃貸事業「特定優良賃貸(特優賃)事業」で償却しようとしましたが、逆に大赤字です。

特優賃マンションとは地主さんに補助金を与え中堅層向けの優良な賃貸住宅を建築させ、自治体が家賃補助や一括借り上げを行う制度です。

特優賃開始は1993年です。すでに右肩下がり時代でしたが特優賃には右肩上がりバブルが残っていました。特優賃の家賃は毎年数%のアップを続けます。

つまり入居し数年すると家賃は1割程上がりますが、新規供給されている新築特優賃は値上がり前の、あるいは値下がり家賃です。転居は当然です。転居しても更に数年するとまた再転居。欠陥制度でした。

特優賃には民間へ補助金給付する方式と公社一括借り上げ方式とがあります。まず前者が破綻します。

2011年1月に豊中市で60代の資産家姉妹が餓死した痛ましい事件がありました。これは前者です。

地主さんに向けての相続税対策として特優賃提案がされたのでしょう。「特優賃は公的制度だから心配ありません」との建築営業です。通常の建築営業なら壮絶な値引合戦となるところが、特優賃という「付加価値」を付けると特命受注が取り易くなり、更に「せっかく公的補助がでるのだからよいもの(高いもの)にしませんか…」と建築費が膨らみます。

姉妹の特優賃建設は大阪府の2300万円公的補助でした。当初設定家賃は11万円、近隣より1万円高いのですが特優賃なので自治体から入居者家賃補助が最大5万円で実負担家賃は6万円。それなら満室になります。しかし補助は減り近隣家賃は下がり15室中10室が空き家になり、相続税対策までした資産家が借入金の返済もできず電気も止められます。

ただし後者すなわち特優賃でも公社に一括借り上げしてもらった地主さんはまだ救われていました。

しかし借り上げた側が破綻です。それが神戸市住宅供給公社の破綻です。公社はオーナーに満室時家賃を支払い続けますが空き家です。公社の逆ザヤは年間4億円。さらにそれに加えて入居者への家賃補助として毎年8億円強を神戸市が拠出しています。(週刊ダイヤモンド2011.11.19.AERA2011.1.31.)

ネット上に西宮市都市整備公社が特優賃入居者募集広告を見つけました。「入居者は本来の家賃から西宮市からの補助金を差し引いた入居者負担額を支払う…入居者負担額は毎年概ね3.5%ずつ上昇…」欠陥制度のままですが、キャンペーンで新婚世帯5年間1万円、子育て世代5年間5千円減額だそうです。

たとえ制度が破綻しても大丈夫、との覚悟で---「特優賃」バードレポート1997年5月5日 第158号

オリンパスは飛ばしたままで20年


1989年末の日経平均4万円が1992年1万4000円、株土地で1000兆円のバブル崩壊。「飛ばし」が始まります。国内外の怪しげな法人やファンドに時価を無視した簿価で飛ばし(移し)ます。対価として簿価での債権や出資を受け取り貸借対照表のお化粧です。

筆者は「飛ばし」の現場にもいました。「飛ばし」営業の現場にもいました。飛ばしノウハウを持たない弱小銀行を探しだし「大蔵省にギブアップするより、飛ばしませんか…。飛ばしならお任せ下さい。」とスリリングな営業をかけます。飛ばし支援ビジネス花盛り、様々な飛ばし手法が生まれたはずです。

国の政策もありますが、体力が消耗した銀行は5年後の1997年から次々と破綻します。山一、長銀、東邦生命…。あの弱小銀行も消えました。飛ばしは緊急避難でした。5年までは隠せても5年か10年の収益力で飛ばしを精算できなければ結局ダメでした。

オリンパスは凄い。精算もせず20年も大切に隠し続けました。さてリーマンショックの米国住宅ローン担保証券は飛ばされたまま。欧州では南欧諸国の国債飛ばしの真っ最中。いつまで飛ばせ続けるか?。

粉飾してまで払った法人税の還付は


大企業は飛ばし等で、中小は売上水増し等で仮装粉飾します。公共工事受注の赤字建設業なら粉飾は必須のようです。粉飾利益にも法人税を払います。

法人税ぐらいは返してほしくなります。税金を取りに来た税務署の調査官に「実は粉飾です。還付願います。」と言えばその運悪い調査官は絶句します。

過去1年なら「間違いました」で取り戻せます。過去5年までなら税務署長への嘆願お願いです。ただそれが通っても粉飾ならすぐには戻りません。その後5年間の法人税と相殺し続け、相殺しきれなかった分が5年後にやっと還付です。つまり当面の資金繰りには使えません。(納税通信2011.11.28.)



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