トピックス版2012.11.22. 




中小企業金融円滑化法の期限切れ・銀行が100%株主に



バードレポート・トピックス版2012.11.22.
  • 中小企業金融円滑化法の期限切れで
  • 銀行が貸付先事業会社の100%株主になれる?


中小企業金融円滑化法の期限切れで


10月1日に中塚金融担当大臣は記者会見で来年3月が期限の中小企業金融円滑化法について「この法案の再々延長はありません。」と明確に明言しました。

これを境に、消費者金融関連株式相場が急上昇を始めました。各社とも連日の年初来高値を更新です。円滑化法廃止期待による業績期待なのでしょうか。

中小企業金融円滑化法が終了すれば零細事業者に対し銀行は厳しくなります。そのため消費者金融の活躍の場が増えるという期待があり、また旧武富士等多くが破綻しライバルが減り競合が減っています。

貸金業法は2010年に改正され貸付条件を厳しくしました。多重債務者を減らす効果はあったものの、消費者金融で資金繰りをしていた零細事業者が"ヤミ金"に流れます。消費者金融は零細事業者の短期的な資金繰りには必要な役割を果たしていたのです。

半年前の5月に自民党の「小口金融市場に関する小委員会」は、弊害が大き過ぎるとして規制を大幅に緩和するという改正案をまとめています。自民党案では個人向け融資を年収の3分の1までに制限する「総量規制」の撤廃や、上限金利引き上げを求めています。(毎日新聞2012.5.24.)

ある弁護士会によると、ヤミ金についての相談件数や警察の検挙件数は近年減っており、ヤミ金被害が広がっている事実はないということで、「正規業者から借りられない人が簡単に借りられるようにするのではなく、高金利に頼らなくても生活できるセーフティーネットの構築こそが重要」だそうです。

(大阪読売新聞2012.10.10.)

その通りですが、従業員に支払う給料資金をそこでしか借りられない零細事業者がいるのも現実です。

株式市場では不動産流動化関連株も急騰。円滑化法廃止での企業破綻での不動産処理期待のようです。

銀行が貸付先事業会社の100%株主になれる?


銀行による一般事業会社への出資比率は5%と決まっています。10月31日の金融審議会は大荒れになりました。金融庁が経営再建企業は完全な例外として金融機関による100%保有も可能とする改正案を持ち出したのです。委員からは「株出資のリスク判断がすべての地銀に可能なのか」と懸念を表明し、座長も慎重姿勢です。(日本経済新聞2012.11.13.)

みずほ銀行とコーポレート銀行の合併では5%超え問題が噴出します。7月の日本再生戦略の工程表には「金融機関による資本性資金の供給促進策(5%出資規制の見直しを含む)の検討」とあり、10-15%案が有力と報道されました。しかし突然100%案です。金融庁側の思い切った提案なのでしょう。銀行が一般企業の100%株主になれるということです。

この金融審議会の「金融システム安定等に資する銀行規制等の在り方に関するワーキンググループ」10月31日の会議資料を見てみました。

金融円滑化法廃止で金融機関は不良債権処理に直面します。銀行はデット・エクイティ・スワップ(DES)には消極的です。企業への1億円の貸付金があり、それが不良債権化したら、その1億円をその企業の資本金に変更してしまいます。DESです。

デット(借入金)をエクイティ(資本)にスワップ(交換)します。企業側からみれば借入金が返済利払い不要の資本金になります。銀行からは不良債権が消えて、代わりに株主になります。

かつてダイエー等の大企業処理では実行されています。DESでの株式取得はすでに5%基準の例外となっています。今回は「中堅中小企業については議決権保有の上限を引き上げ、大企業については原則として現行規制を維持することが適当ではないか」とありますので、運用を更に緩和し、中堅中小企業の不良債権処理に拡大し、金融庁はDESに消極的な銀行をDESに追い込みたいのではないでしょうか。金融円滑化法廃止への出口戦略の一つでしょう。

また資料には「地域金融機関等が中小企業等の事業承継に伴って保有する議決権について、銀行等本体に……上限なく保有を認めることを検討してはどうか」とあり、後継者不在等で事業継続が困難な会社の面倒を地銀等に見させようとしているようです。その際も地銀などにDES等で上限なく(つまり100%まで)株主にさせようと検討しています。

再生案件や事業承継案件で金融機関に直接介入をさせようとしているのでしょうか?。なおまだ決定ではなく議論の段階で、座長は慎重姿勢のようです。

銀行も不良債権処理で確実に返り血を浴びます。このワーキンググループではこれら議論と平行し、金融機関の破綻処理方法の議論も進めています。



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