トピックス版2012.12.13. 




外国に行ったままなら事業税は非課税か?ATO通信



税理士法人ATO財産相談室の阿藤芳明税理士にお願いし、同社発行ATO通信を転載させて頂きました。  同社は、http://www.ato-zaiso.net/をご覧下さい。ご相談等は同社03-5468-6700までどうぞ。

  1. 外国に行ったままなら事業税は非課税か?
  2. 個人で不動産賃貸業を行う場合の事業税
  3. 誰がどこで課税をするのか?
  4. 非居住者の場合には
  5. 国外に行ったきりで、戻る予定が無い場合
  6. 事業税は課税されない筈が…


外国に行ったままなら事業税は非課税か?


ATO通信平成24年11月30日

税務上よく出てくる言葉で『非居住者』と言うのをご存知でしょうか。税務上の外国人とでも言えばご理解頂き易いかも知れません。詳細は本文をご覧頂くとして、要は原則として日本での課税がない個人のことです。実は個人の不動産賃貸業においては、外国へ行ったままの場合、国内の賃貸物件からの所得について所得税は課税されても、事業税は課税されないのです。が、うっかりするとこんな事にも…

1.個人で不動産賃貸業を行う場合の事業税


個人で不動産貸付を行えば、直ぐに事業税の対象になる訳ではありません。

事業税の対象となる不動産の貸付は、所得税を参考にしながらも規模的な要件として、(1)戸建て以外のアパート・マンション等の住宅の貸付の場合、10世帯以上の貸付(2)戸建ての住宅の貸付の場合、10棟以上の貸付(3)住宅用の土地の貸付の場合、10件以上又は貸付面積が2,000u以上の貸付等々がその対象です。

そして、所得金額としては290万円を超える部分の金額が課税の対象となります。

2.誰がどこで課税をするのか?


事業税は上記の事業を行う事務所や事業所の所在する道府県が課税する地方税です。東京都の23区の場合は、各都税事務所がその課税実務を行っています。

製造業や小売業等の場合には、上記の事務所や事業所が比較的判然としています。

しかし、不動産貸付業においては、特に個人の場合には、それほど判然と分かるような事務所、事業所が無いことも多いのではないでしょうか。

そんな場合は、事業を行う人の住所や居所を事務所・事業所とみなして課税することになっています。

3.非居住者の場合には


個人の事業税は所得税を考え方の基礎に置いているため、先ずは所得税の考え方を整理しておきましょう。問題の非居住者ですが、所得税においては非居住者を『居住者以外の個人』と定義しています。

つまり、(1)国内に住所を有しない者で、かつ、(2)現在まで引き続いて1年以上国内に居所を有しない者とされています。そして、国外に一定の職業を有することになった者は、その契約等で国外での居住が1年未満の場合を除き、国外での居住の日から非居住者と推定して取り扱われることになっています。

また、非居住者の不動産貸付においては、国内に事務所・事業所とみなされる住所や居所が無いため、個人の事業税は課税されないのです。

4.国外に行ったきりで、戻る予定が無い場合


こんなお客様がいらっしゃいました。ご主人は既に他界され、一人娘はイギリス人と結婚して渡英。年を重ねるに従い、日本での一人での生活が寂しく、また不安にもなったのでしょう。

ご本人は若い頃、長年アメリカに留学なさっていた事もあって言葉の心配はありません。老後は一人娘の居る英国で暮らそうと決心をされたのです。

このお客様、不動産所得が相当額あり、長年当事務所で確定申告のお手伝いをさせて頂いておりました。

渡英されたことにより、前述の非居住者になった訳です。非居住者の場合、国内源泉所得と言って国内での事業や不動産賃貸、利子・配当等の所得だけが課税の対象となります。今から10年ほど前に渡英後は確定申告時に帰国され、手続きが終われば再びイギリスと言う生活をなさっておられました。確定申告の住所地には勿論イギリスの住所を記載し、納税管理人と言う税務署との連絡係は当事務所を指定して頂き届け出をしていたのです。そして、その後5年して亡くなってからは一人娘が相続し、現在に至っています。

5.事業税は課税されない筈が…


さて、個人の事業税と言う税金、所得税や相続税と違って自分で申告書を提出する、申告納税方式ではありません。道府県が所得税の申告書を見て、それをもとに課税してくる賦課課税方式のため、どうしても関心が薄くなる傾向にはあります。

それが災いしたのかどうか、非居住者になって以来、言われるままに納税をしてきてしまったのです。

当事務所も年に一度確定申告をお手伝いしていたので、気付くべきではあったのでしょうが先日までそのままに。が、先般気がついてからは直ちに都税事務所に連絡です。地方税の規定では5年までは遡って是正し、還付をしてくれる仕組みです。

しかし、それ以前の5年分は法律が無いので返還できないとの言い分です。ただ、同じ賦課課税方式の固定資産税においては、法律はないものの通達と言う形で(1)固定資産の所有者でない者に誤って課税していたり、(2)既に存在していない建物に課税していた場合等、本税のほか延滞金まで含めて10年分を返還しているのです。この事業税、確定申告書を見れば外国の住所で非居住者である事は明白なはず。

固定資産税で法律を曲げてまで返還してくれるなら、事業税だって返還されてもおかしくはないのです。ついつい当局任せになってしまう賦課課税です。今後は課税の通知が来たら、目を皿のようにして隅々まで確認してから納税しましょう。残り5年分も頑張るぞ!



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