トピックス版2012.12.20. 




東京駅舎容積率売買・国税局による破産免責の取消決定



バードレポート・トピックス版2012.12.20.
  • 東京駅舎の復元工事と容積率売買
  • 国税局による破産免責の取消決定


東京駅舎の復元工事と容積率売買


東京駅丸の内が完成当時の姿に復元されました。

観光客の増加で、近隣の商業施設は売上急増です。2012年10月の対前年比売り上げでは、東京駅改札内の飲食物販のグランスタは35.9%増、丸ビル16.6%増、新丸ビル20.3%増。2013年3月には隣接のJPタワー(東京中央郵便局)商業施設がオープン、2013年秋には八重洲側を南北に結ぶ大屋根が完成、2014年には八重洲駅前広場の整備が控えています。東京駅の賑わいはまだまだ収まりそうにありません。

駅舎復元での赤いタイルは50万枚。創建時と同じ知多半島の赤土を使いますが、それでも創建時の色合いを再現するのは苦労があったようです。タイルメーカーは受注前にもかかわらず100トンの土を買い1万5000枚のタイル試作までしていました。

さて、駅舎の復元工事は500億円と言われています。そのねん出には特定容積率制度が使われました。それは容積率売買で空中権売買とも言われます。

東京駅丸の内駅舎の敷地面積は2万5800uで法定容積率900%として許容容積率は床面積換算で23万uです。完成後の駅舎延床面積は4.3万uに過ぎません。余剰容積率を近隣のビルに売却しました。

丸の内パークビル・新丸ビルに5.2万u、JPタワーに2.5万u、東京ビルに2.1万u、グラントウキョウノース・サウスに7.9万uで、合計約18万uを移転したようです。これらのビルは容積率を買ったことで、本来の建築可能な床面積よりそれだけ大きなビルを建築できることとなったのです。

さて500億円を18万uで割って坪換算すると坪100万円弱(つまり容積率100%当たり単価)。東京駅前のビルの容積率なのに、そんなに低い金額なのでしょうか?。内訳は非公開のようで詳細不明です。

(日経アーキテクチュア2012.11.25)

昔から「特定街区」「総合的設計」等では複数建築物の敷地を一つとみなして容積率等を適用し、結果的に容積率移転を認める制度はありました。しかし、対象が原則すべて新築のときに限られ既存建築物からの容積率移転は例外を除き認められませんでした。

1998年に「連担建築物設計制度」により既存建物の余剰容積率が隣接敷地に移転できるようになりました。そして2001年の建築基準法と都市計画法改正により、「特定容積率制度」がはじまります。

隣接敷地にではなく離れた敷地に既存建物の余剰容積率を飛ばせるようになりました。この容積率に対価をつければ容積率売買です。歴史的建築物の維持を図りながらの都市部開発促進を目的としました。

この制度はある程度業務集積された地区であれば適用可能ですが、指定を受けたのは未だ東京駅周辺の地区だけです。言い換えれば、特定容積率制度は東京駅プロジェクトのための制度となっています。

国税局による破産免責の取消決定


千葉県松戸市の市議は、当選前に経営する会社が消費税等3000万円を滞納して倒産します。国税局は会社名義になっていた市議自宅を差し押さえます。

地裁は2010年6月に市議の破産手続き開始、2011年3月に免責決定。市議はこの間の2010年11月に市議初当選。国税は市議に会社の滞納税金の支払いを求めていましたが免責決定で徴収できません。

2012年1月に国税局は調査をします。隠し口座での資金管理が判明し、また2011年3月までの4000万円の所得も管財人には報告していませんでした。

競売となった自宅は自ら用立てた1700万円で知人に競落させ、半年後に市議側が買い戻します。破産手続き開始時に500万円相当の株を保有していましたがその時に管財人に報告していませんでした。

国税局はまず所得4000万円を無申告として追徴課税し、自宅買い戻し資金提供や株の隠匿をもって、地裁に破産法に基づく免責取消を求めます。

地裁は7月に取消決定をします。破産者の不正の方法によって免責許可の決定がされた場合には、1年以内に免責取消申立てで免責取消が可能です。

松戸市議会は免責取消等によりこの市議に対して辞職勧告決議を可決します。この市議と議長を除く全員が賛成します。一方、市議は「今後も信頼回復のため、働かせていただく」とコメントしています。

(朝日新聞2012.11.21,2012.12.5.)

国税局側が破産免責でもあきらめずに税務調査を進めたのか、免責取消目的での税務調査なのか。

このような自宅の競落はよくあることでしょうが、その資金提供が免責取消の理由の一つになりました。

一般債権者は強制的に調査する手段を持ちませんが、租税債権者は違います。自分で調べられます。



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