トピックス版2013.3.21.




信託で財産管理・障害者扶養信託・旅行積立は信託契約



バードレポート・トピックス版2013.3.21.
  • 土地信託で残った借金は信託の委託者の借金
  • 残された子のためには信託で財産管理
  • 親亡き後のための障害者扶養信託の税制改正
  • 旅行幹事への旅行費用の積み立ては信託契約


土地信託で残った借金は信託の委託者の借金


土地信託は、土地所有者が信託銀行に土地を信託し、信託銀行は土地活用を行い、その収益を所有者に配当します。収益ゼロなら配当もゼロ、信託終了時に借金が残っていれば土地所有者が借金を引き継ぎます。信託銀行は責任を負いません。すべては信じて託した委託者である土地所有者の責任です。

大阪市による弁天町駅前3万uの土地信託では、受託者のりそな銀行等が負債の立て替え分637億円の支払いを委託者大阪市に求めました。土地信託による総事業費1027億円の複合商業施設は1993年開業、市が30年間で272億円の配当を受ける目論見でしたが、配当は一度もなく借金だけが残りました。

637億円とは橋下市制での今年度職員人件費削減額の4倍。大阪市議会は所有権を放棄すると宣言し、赤字分を補てんする義務もないと主張しましたが、判決は「(市が義務を)事後的に放棄することは許されない」と断じています。(朝日新聞2013.3.8.) 

残された子のためには信託で財産管理


50代の精神疾患の子のために85歳のニューヨーク州のある女性は財産を、福祉団体を受託者として信託にしました。財産を管理するだけでなくスタッフが定期的に日常を見守るサービスが提供されます。

財産は信託で管理、医療費生活費のほか、団体と相談で自動車等購入費も信託財産から支払われます。

未成年や障害を持つ親には自身が亡くなった後の財産管理が不安です。英米では信託が幅広く使われています。日本では高齢者などの財産管理に信託が始まったばかりで、まだこれからです。

(日経2013.1.16.「英米流相続の知恵」)

親亡き後のための障害者扶養信託の税制改正


厚生労働省の税制改正要望には「特別障害者扶養信託制度について『親亡き後』を見据え、障害が重度である特別障害者のみ非課税対象とする現行の取扱いを見直し、一般障害者も非課税対象とする措置等を講じる」とあり、要望通りに今年改正されます。

親等が障害を持つ子のために信託銀行等に財産を信託し、信託銀行は親の死後も管理運用して障害者の生活費などを信託財産から定期的に給付します。

従来は障害等級1級の精神障害者なら6000万円の非課税枠がありました。2013年度税制改正で中軽程度の知的障害者や、障害等級2級3級の精神障害者の場合の3000万円非課税枠が新たに設けられます。

親が委託者として信託を設定し、受託者も親なら課税は生じませんが、受託者を子にした瞬間に贈与税課税です。この贈与が非課税になるのです。

親は生前に信託を開始させることで、幾らかでもホッすることができます。

旅行幹事への旅行費用の積み立ては信託契約


友人4人での海外旅行のために毎月1万円を積み立てます。幹事Aが「○○旅行会 代表A」名義の預金口座に入金し、残高240万円になりました。

しかしAは銀行への債務返済が不能になり、銀行はA名義であるこの240万円をも差し押さえます。

Aは「A個人の預金ではなく、民法上の組合である○○旅行会の預金」との理由で差押え分の返還を求めます。法的には4人による民法上の組合であり、多くの町内会のように法人格がなく組合名義での預金ができないので便宜上A名義にしたと主張します。

東京地裁判決(24.6.15)は組合とは認めず、預金はA個人の口座だとし、しかしその上で預金は信託財産だと判じます。友人3人は積み立てについて預金で管理することをAに信託したのだとの判断です。

3人は信託の委託者兼受益者であり、信託の受託者Aに対し信託法による信託していたのであり、A本人の分以外の預金は区分して分別管理されていた。

よってA本人分の60万円を除き180万円は、信託財産であるのだからAに対する差し押さえとすることは許されない、との判決です。

信託法23条は「…信託財産に属する財産に対しては、強制執行、仮差押え、仮処分若しくは担保権の実行若しくは競売又は国税滞納処分をすることができない 」と定め、信託財産は倒産リスクから隔離されています。この180万円は差押え禁止なのです。

(銀行法務21 2013.2月号)

信託法2条での信託は「特定の者が一定の目的に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為をすべきものとすること 」。

「旅行積み立て1万円頼む」「わかったよ」は、口頭であっても法的には信託契約締結だったのです。




cats_back.gif





バードレポートとは


 
clip_blue_1.gif




前号

次号


関連する項目
不動産ビジネス手法
不動産と金融会計
相続税対策申告
トピックス版2013年

このレポートと同じ年分リスト
2013年リスト




あんしん生命資料請求
  • 使わなかったら払った保険料が全額戻ってくる医療保険

保険ショップインフォ
  • 地域から探す
  • 保険ショップの使い倒し方

保険ショップ


バードレポート

Google
Web検索
当サイト検索

バードレポート項目別
不動産ビジネス手法
不動産賃貸経営
不動産と金融会計
定期借地権定期借家
不動産証券化
債務整理と企業再生
不良債権処理
債務処理の税務
相続税対策申告
路線価評価相続評価
物納と相続税調査
譲渡税買換特例
住宅税制住宅減税
固定資産税
税制改正
その他不動産税制
その他税制
相続対策と遺産分割
生命保険
その他不動産関連
その他
トピックス版・年別リスト
カネボウ劇場
発行元情報

バードレポート発行順
発行年順リスト
clip_blue_1.gif
clip_blue_3.gif