トピックス版20013.6.13.




改めて"交際費"を考える!ATO通信



税理士法人ATO財産相談室の阿藤芳明税理士にお願いし、同社発行ATO通信を転載させて頂きました。  同社は、http://www.ato-zaiso.net/をご覧下さい。ご相談等は同社03-5468-6700までどうぞ。

  • 改めて"交際費"を考える!
  • 従前の法人税の取り扱い
  • 改正の内容
  • "会議費"等の活用法
  • 個人の不動産所得での交際費の取り扱い
  • 法人における交際費調査の実態

改めて"交際費"を考える!


ATO通信平成25.5.31
本年度の税制改正では贈与を含め、相続税ばかりが取り上げられています。正に世の中は相続増税の話題一色です。しかし、そんな中で目立たないものの、いぶし銀のようにキラリと光る朗報もあるのです。
法人税における"交際費"の課税負担の軽減がそれ。と言う訳で、今回は改めて交際費についてその実態を考えてみました。

1.従前の法人税の取り扱い


法人税においては、交際費は全額が損金と言われる経費になる訳ではありません。言うまでもなく、本来交際費は全額が経費になるべきものではあります。
しかし、中小法人においては、年間600万円までの金額について、その90%相当額だけが損金とされていました。つまり、600万円以下であっても、その10%は経費として認められていなかったのです。これは、本来の法人税法ではなく、租税特別措置法と言う期間限定の法律で特別にこのように定められているのです。
それでは中小法人以外の法人はどうかと言うと、これはもう悲惨で全額が損金算入を認められていません。
1円の交際費も認められていないのです。ここで中小法人とは、平たく言えば資本金が1億円以下の法人を言います。実務としては資本金は1億円以下に、と言うのが大きなポイントです。

2.改正の内容


その取り扱いが次のように変わります。600万円までと言う上限が800万円までに引き上げられ、更にその800万円までの部分については、何らの規制もなくなります。つまり、800万円までの交際費は全額が経費となり、800万円を超える金額だけが経費として認められないと言う意味です。
しかし、あくまでこれは中小法人に限った制度。本来相当多額な交際費のある大法人は従前通りで改正なし。日本経済の活性化のため、ここは中小法人を含め、大法人も交際費の全額損金算入を認めて欲しいところです。上記の改正は平成25年4月1日以降に開始する事業年度から適用されます。

3."会議費"等の活用法


交際費とひと口に言っても、その範囲は広範にわたるもの。実務では、社内交際費を除き一人当たりの金額が5,000円以下の飲食費については、交際費としての扱いから除外されています。つまり、その全額が会議費等として経費となるのです。
ただ、それなら何でもかんでも会議費等にすれば良さそうですが、そこは税務署の考える事。厳しい条件が付されています。次の事項を記載した書類を保存する事が必要で、(1)飲食がなされた年月日(2)参加した得意先、仕入先等の関係者名とその関係(3)参加人員(4)金額、飲食店名及び所在地等々です。単に領収証があれば良い訳ではなく、上記の事柄を記載しておかなければなりません。
逆に言えば、ちょっと面倒でもこれらをきちんと実行していれば経費とされる訳で、これを活用しない手はありません。また、この5,000円基準ですが、その会社が消費税について税込処理か税抜き処理かによって判断します。消費税の増税も予定されている昨今、これを機に税抜き処理をしている方が消費税分だけお得にはなるのかと。

4.個人の不動産所得での交際費の取り扱い


ここで個人の不動産所得における"交際費"について考えてみましょう。結論から言えば、個人についてはご商売をやっている事業所得は別として、不動産所得についてはほとんど交際費は認められません。
税務署では『ひも付き』と言う言葉を使うのですが、収入を得るために直接結び付くものだけに経費性を認めると言う姿勢なのです。
そうすると、家賃収入や地代を得るために、どうしてオーナーである家主、地主が交際費を使う必要性があるのか、と言う議論になってしまうのです。
ところが、同じ事を法人として支出する場合はどうでしょう。理論的な話は別として、実務的には家族旅行のような極端なもの以外、金額的に少額なら大半のものが認められてしまいます。だからこそ、できれば個人の不動産所得を所有型法人を利用して、法人に所得を移転する事をお勧めしてきた経緯もあるのです。

5.法人における交際費調査の実態


それでは、法人にさえすれば、実務的にはどんなものでも、領収証さえあれば交際費として認められるのでしょうか。前述のように家族旅行は言うまでもなく不可ですが、実態としては通常の飲食費は領収証と支払の事実があれば否認される事はありません。
友人との飲食も子供の誕生祝いでも、多少であれば細かい事を追及されることはまずないのです。理論的には認められる筈もありませんが、調査の実態としてはそこまでやらないのが普通なのです。
何故か?法人の行動は基本的には法人の事業活動のためであり、法人がそれなりの経理処理をしていれば、それを否認するのは一義的には課税する側に立証責任があるためです。
とってもおかしな話ですが、交際費は目を着けられないよう、ほどほどを心掛けて上手な活用を!


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