トピックス版2014.6.19.




日本の法人税は高いから外国で・法人税と税収



バードレポート・トピックス版2014.6.19.


  • 日本の法人税は高いから外国で安い法人税を
  • 法人税下げると税収は伸びるか

日本の法人税は高いから外国で安い法人税を



日産自動車(連結)が払った実際の税負担率は28%(税効果会計考慮後)。その決算時(2013年3月)で日本の法人実効税率は38%。日産は10%も低いのです。

差10%のうち5%分は「在外連結子会社の税率差」。

連結決算なら海外子会社分も合算します。海外子会社の売上や利益、そしてその国で支払った法人税額が合算された財務諸表になります。

つまり外国の税率の法人税が含まれるのです。日産は海外生産台数が8割で、海外子会社がその地で払う法人税も多く、それが低率で、その差で税率5%分、金額で258億円分下がりました。もし全世界が日本の税率38%なら、あと258億円の納税が必要でした。外国の安い法人税のお蔭です。

HOYA(連結)は、本来38%のところが20%です。18%も低く「海外子会社の適用する法定実効税率との差異」がうち17%分です。同社の海外売上割合60%、海外生産75%、従業員の90%は外国人。

同社の付加価値のかなりが低税率国で実現されて、その国でその国の税率で納税しています。

日本の会社ですが、シンガポール等へ部門移転、納税地をアジアにし実際の税負担20%を実現です。(低税率国での一定の子会社利益は本社と合算し日本の税率で課税との課税逃れ防止税制もあります。)

東京エレクトロンは米国アプライド社と経営統合します。日米の統合なのに持ち株会社をなぜかオランダに設立。オランダは税金優遇国。東京エレクトロン株主にはオランダ法人の株式が交付されます。

この経営統合は税コスト圧縮も大きな目的です。東京エレクトロンの過去5年平均税負担率37%、アプライド社28%。統合後2017年に税負担率17%を見込みます。東京エレクトロンの付加価値とそれに対する課税は徐々に海外に持ち出されるのでしょう。

大企業はどこで納税するのか選択できます。

アップルは売上高17兆円、税引前利益5兆円、法人税等1.3兆円。税負担率26%。意外と払っていますね。ただ税金の納税地を見ると、米国内での納税額1.2兆円、その他全世界合計0.1兆円。

それでもアップルは米本社からアイルランド子会社に2009年から4年間に7兆円利益移転しこれへの税負担率は2%。アップルCEOは米議会に喚問されました。それでも、納税するなら本国の米国、納税先を米国に集中し米国に尽くします。

(税務弘報2014.4,5月号明石英司氏、日経2013.9.28、自民党税調財務省資料2013.11.6.)

フランスの銀行BNPパリバに対し米司法省は罰金1兆円。仏大統領は自国銀行を守る為に米大統領に「何とかなんないの」とねじ込みます。アップルも米国に尽くしておけば米大統領が守ってくれます。

EU欧州委員会はアップルやスターバックス等が低法人税国に所得を移したことへの調査を開始しましたが、調査先は各企業ではなく、アイルランド、オランダ、ルクセンブルクの3国が調査対象です。

「企業が悪いのではなく、そんな税制の国が悪い」今や国と国との戦いなのです。(日経2014.6.7,12.)

法人税下げると税収は伸びるか



安倍総理は法人税減税で「アカデミックなアプローチで検証を行っていただきたい(2014.1.31.)。」

政府税制調査会部会がその検証を進め、「法人税のパラドックス」を時間かけ議論していました。

吉川洋東京大学教授は、「現在の法人税を含めた議論はやや荒っぽいと感じています。特にパラドックスと言われるようなことです。…法人税率を下げると経済が活性化して、したがって法人税収も下がらないという三段跳びのような議論、そうしたメッセージがかなり世の中に広まっているような感じがするのですが、これは非常に荒っぽいと思います。…法人税率を下げれば、それだけで競争力が高まるわけではない。」(3月12日の議事録より)

法人税下げても税収が伸びる魔法のパラドックス、ドラえもんのポケットにあるような(?)、アカデミックなアプローチでの減税議論がされています。

法人税率が下がり所得税最高税率は上がります。個人事業からの法人成りで法人税収増は確実ですが。

大企業には国境はなく、法人税率引き下げ競争の行きつく先は法人税ゼロです。税金ゼロでも外国会社が来てくれ雇用拡大し経済が活性化すればそれでいい…雇用への所得税と消費税は稼げますから。

高所得者にも国境はなく、所得税・相続税のない国へ。高所得者は国を出で税金ゼロを目指します。

そして国に残る税収は、高所得者以外(国境を越えられないから)への所得税と消費税だけになります。



cats_back.gif





バードレポートとは


 
clip_blue_1.gif




前号

次号


関連する項目
不動産ビジネス手法
不動産と金融会計
相続税対策申告
トピックス版2014年

このレポートと同じ年分リスト
2014年リスト




あんしん生命資料請求
  • 使わなかったら払った保険料が全額戻ってくる医療保険

保険ショップインフォ
  • 地域から探す
  • 保険ショップの使い倒し方

保険ショップ


バードレポート

Google
Web検索
当サイト検索

バードレポート項目別
不動産ビジネス手法
不動産賃貸経営
不動産と金融会計
定期借地権定期借家
不動産証券化
債務整理と企業再生
不良債権処理
債務処理の税務
相続税対策申告
路線価評価相続評価
物納と相続税調査
譲渡税買換特例
住宅税制住宅減税
固定資産税
税制改正
その他不動産税制
その他税制
相続対策と遺産分割
生命保険
その他不動産関連
その他
トピックス版・年別リスト
カネボウ劇場
発行元情報

バードレポート発行順
発行年順リスト
clip_blue_1.gif
clip_blue_3.gif